7時過ぎたというのにまだ外は暗い。道路の街灯もまだ点灯したままである。気温は0度。
アメリカで開かれているCES 家電ショーで今回注目を集めている物の一つにIT自動車がある。
その名の通り、自動車が一つのコンピュータールームになり運転しながらインターネットなどの情報を手軽に手に入れるというものである。
最近、自動車を運転中にスマホをいじりながらという光景をよく見かけるようになった。見かけると言っても赤信号で停車中でだが、きっとあれは運転中にも操作していると思われる。
運転中にスマホではやはり交通安全という観点から具合が悪い。それなら丸ごと車がスマホ化したら楽だろうと思う。既にカーナビでも携帯と連携した機種が売られていたが、それがスマホが機能を強化したため、運転ナビもスマホで済ましてしまう人も増え、徐々にカーナビの地位が低下した。
本来ならカーナビの業者の方がそういった多機能の取り込みに熱心であったが、そういったデバイスの進化に追いついていなかった。そのために乗り遅れてしまったと言って良い。
そして自動車メーカーもうかうかしていられない状況に徐々に追い込まれていきそうな気がする。その一つが今回のIT自動車である。
車の自動運転は、日本のメーカーも古くから手を付けていた。しかし、自動車交通法があるためそこに思い切り金をつぎ込めなかった。その部分をグーグルが古いしきたりを乗り越えて進出してきたわけである。
今はまだ自動車の部分はグーグルなどはノータッチだが、既にエンジン情報などを蓄える車載コンピュータにアクセスしているようなので、今後自動運転の技術などは、グーグルのOSが制御する可能性が高い。更に将来電気自動車などが発達すればガソリンエンジンは死滅する。
更に、その車体の部品を製造しているのは、自動車メーカーでは無く別会社の工場で生産されているのだから、そうなれば既にその存在意義も薄れてくる。丁度今のパソコンと同じである。
色々な製造メーカーに部品を発注できるようになれば、グーグルマークの自動車の完成は簡単な事である。
10年後今の自動車メーカーの大部分は淘汰されていくのは確実である。ガソリンで走らない自動車が主流になれば、石油関連企業も相当数再編されるだろう。