秋雨

 雨、気温は17度。

 傘に当る雨音は、生活音を遮断する音のカーテンである。この時間帯だと時折聞こえる自動車のエンジンの音以外、今まで家から漏れてきたテレビの音、話し声は全く聞こえなくなる。

 この雨は、この後も降り続け明後日まで続きそうである。秋の長雨では無いが、それに近い雨で、これが通り過ぎると秋特有の青空が広がるはずである。俗に言う所の「天高き馬肥ゆる秋」である。

 そういえば、昨日の夕方の空にうろこ雲が浮かんでいた。このうろこ雲も低気圧が近付くとできる雲で、秋の訪れを告げる雲の一つである。

 本当にお盆を境に季節が変わるのは北海道ならではである。これも本州より季節の進み具合が一月ほど早いため、9月が秋では無く8月に秋が訪れるからである。

 秋と言えば、季節は冬の準備であるから人生でいえば終盤を迎えた時と同じようなものである。秋が来れば直ぐ冬と春はコンビで訪れることになっているのだが、生憎北海道の冬は長いためあっという間の夏と比べれば2倍以上の長さがあると思って良い。

 いくら地球温暖化と言えどもこの長さを縮めるまでには至らない。