混沌

 曇り、気温はマイナス6度。

引用 ロイター(http://jp.reuters.com/article/saudi-iran-china-idJPKBN0UL18O20160107) 

中国外務省は7日の会見で、対立するサウジアラビアとイランに特使を派遣したことを明らかにした

引用 AFP(http://www.afpbb.com/articles/-/3072491

イランは7日、在イエメンのイラン大使館がサウジアラビアの戦闘機による空爆を受けたと発表した。これに対し、イエメンで空爆作戦を実施するサウジアラビア主導の連合軍は大使館空爆を否定。中東を揺るがしている両国の緊張は、ますます高まりを見せている。

 北朝鮮の核実験で情勢が複雑化してしまっているが、それ以前から複雑化している中東問題は、混乱と言う言葉がまさに当たっている状況に陥っている。

 中東問題のそもそもの切っ掛けは、第1次世界大戦中のイギリスだった。キリスト教ユダヤ教の巡礼地であるメッカの扱いと、他にも多くの利権争いが有ったのだろう。余りにも策を弄したのかそれともただのウスノロだったのか今となっては判らないが、中東のそれまで合った秩序をぶち壊してしまった。

 そこに、イスラエルパレスチナ、アラブ、イスラム教、ユダヤ教などの要素が合わさってしまったため、収集が付かなくなってしまった。

 それまでの各陣営の縄張りを壊してしまい、新しい縄張りを作ってしまったため、元に戻そうとと言う勢力と新たに土地を得た勢力が何かの切っ掛けで争いを起こすようになり、更にその争いが切っ掛けでまた別な争いが引き起こされるという事態は、火薬庫という言葉がピタリと嵌る。


 そしてなぜそこに中国がと言う疑問が沸くが、その最たる理由は、中東の石油資源を中国は頼りにしているという事である。もし、中東からの石油の供給がストップすれば石油輸入国の中国の産業は諸に影響を受けることに成る。

 更に言えば、中東の石油資源確保のため色々と食い込んでいたためそれ以外の関係が深くなってしまったという事である。昔の日本が中東に石油資源を求め入り込んだと同じような構造である。

 もし、中東情勢が不安定になれば、今までの協力関係はご和算になり、もし、政変にでもなり新しい政府が出来た時にこれまでと同じような関係でいられるか判らない訳である。

 更にそういった資源外交から発展した経済協力とは別に、サウジ、イランが紛争ということになると、ISの勢力が中東全域に波及する可能性が出てくるという事である。

 中国にとってISは、自国内の民族問題と直結している。それは、モンゴル自治区ウイグル族とのISとの関係がある。中東でISが確固たる基盤を築けば、当然自国内の反政府勢力が勢いを増す可能性があり、その獅子身中の虫の活動を怖れている事に他ならない。

 新年早々、中国にとってバブルの崩壊、北朝鮮、中東問題に振り回されることに成った。これで、中国の共産党体制が崩壊することにでもなると一体世界はどうなるのか、そして日本の立ち位置はどうなるのか、東京オリンピックまでにこの問題に方が付くのか、今年以降は「混沌」の時代に成りそうである。