曇り、気温は2度。日中吹雪の予想で強い風が吹くらしいが、建物の中で仕事をする身にとっては好都合である。生きと帰りに被害にあわずに済む。この低気圧、日曜日ごろまで北海道周辺に停滞するためオホーツクや道東の方は強い風が残りそうである。ただ刻々と季節は春に近づいているのを窓の外の景色を見るたびに実感している。
引用 北海道新聞(http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0374650.html)
高橋はるみ知事は2日の記者会見で、JR北海道の鉄道路線の存廃を巡る地域での協議について「期成会単位では複数の線区が入り、議論が拡散する。沿線ごとの形もある」と述べ、路線別に沿線の市町村とJRが協議に入るのが望ましいとの認識を示した。
知事は「複数の線区では位置づけや特徴、知恵の出し方が違ってくる」と指摘。オホーツク圏活性化期成会が1日の会合で石北線と釧網線に関する部会を、それぞれ設置することを決めたことを引き合いに、路線別での協議を求めた。
jr北海道の存続問題で揺れている。jr北海道が出す資料に線区別の収支状況という資料がある。その資料によれば、営業係数=営業費用/営業収益でみれば北海道の全線は赤字である。かろうじて107という数字が出ているのは、桑園から医療大学(札沼線)、札幌から岩見沢(函館線)、白石から苫小牧(千歳線、室蘭線)、小樽から札幌(函館線)である。この資料は、赤字を強調しなければならないという目的があるため、もしかすると何らかの情報操作が含まれているかもしれないが、それ程ひどくかけ離れたものではないと思う。
更に言えば、白石から苫小牧という形になっているが札幌から千歳に限れば収支は黒字になっていると思われる。これは札幌発列車の行き先が千歳方面に向かう場合苫小牧が終点という列車が含まれるため分離できないという理由があるのだろう。
もっとも営業係数が低い路線は、留萌から増毛間の4554である。これなどデータから見れば毎回空気を運んでいるのが実情だろう。しかし、考えれば空気を運ぶことも仕事といえる部分もある。何故なら利用者からいないからというで運休していれば、たまに利用する人は、運航しているか分からないものを利用するはずがなく。更に運行するためには保線作業や駅舎の整備など時間とともに費用が掛かるわけで、整備していながら運行しない理由はない。その経費を他の路線からのもので賄うというのが基本的な考えなのだろうと思う。
基本的にと書いたが、北海道の路線はすべからくほとんどが空気を運んで運行している。利用者が多い路線以外は、軒並み50%以下の利用者しかいないか、通勤通学の時間帯だけの利用客のみで運行していると考えられる。それで運営することは土台無理である。jr九州などは不動産事業で収益を上げているといわれているが、jr北海道も同様に不動産事業で収益を上げているが、その利益を上げている土地が札幌周辺に限られているため赤字を穴埋めするまでに至っていない。
北海道は車社会になっており、高規格道路などの整備が優先されてきた。その影響をもろに受けて鉄道事業は縮小を重ね今の現状にある。上に上げたように空気を運ぶために山奥の線路も保守しなければならずその維持管理にかかる費用は莫大で、少しでも減らそうと思えば手抜きするしかなく、それで鉄道事故を起こし運休してしまい営業利益を失うという結果になっている。しかし、もしかすると運休したほうが赤字を増やさずに済んでいるのではないかとこのデータから思ってしまうのも事実である。
走らせれば走らせるほど赤字を生む鉄道事業に誰が好んで投資をするかということである。線路沿いで写真を写す鉄道マニアの方が援助してくれるならともかく、彼らの多くは鉄道を使わず車で移動している。廃止を惜しむ声があるが、廃止を惜しむ人たちが全て鉄道を利用するわけではない。
またここ数年、鉄道赤字の解消のため鉄道運賃の値上げが更に利用客を減らす理由になっているのも事実である。一度不振に陥ればとことん落ちていくのが世の中の常識でそれを食い止めるのは誰かが損を覚悟で手助けするしかない。もしできるとすれば北海道あるいは国ということになるのだろう。