曇り、気温は15度.寒さが肌にしみる.
新緑の6月ということでうちの庭もあっという間に緑色が増えてしまった.以前、芝生の手入れについて書いたのだが、今の庭の芝がどうなっているかその手入れについての注意点を書いてみる.
以前、芝生の目土は必要かという記事を書いたと思うが、芝生の生育には必要なのは間違いないのだが、一つ注意点がある.そういったことを書いてみることにする.
目土が欠かせない理由は、やはり芝生は常に新しく生えてくるものだということである.芝生は根を張り、一生生え続けているように見えるが常に入れ替わっている.入れ替わるには、芝生の種が必要であり、そこに肥料と水と土が関係してくる.そのバランスが崩れれば芝生は枯れるし綺麗な緑色にはならない.
北海道での芝生手入れの自分なりのスケジュールはこうである.
3月末から4月: 北海道ではこのころに漸く雪の下から顔を出すことになる.当然、雪の下に4か月ほど隠れていたので所々枯れてしまった部分もある状態である.この時期にすることは、エアレーションと石灰の散布である.エアレーションをすることで芝生の根を切り、そこからの発芽を促す効果がある.更に石灰(自分は苦土石灰を使用、坪当たりおよそ0.5kg)を撒布する.これはやるとやらないのでは芝生の緑色の濃さが違う.どうしても庭土は酸性に傾いている.大きな理由は、雨がもともと酸性だからだと思う.その雨にさらされた土は酸性に傾いていく.石灰は、アルカリ性のものなので撒けば土を中和してくれて植物の生育に影響を与える.もし、庭に芝生があり生育が悪いと思うなら試してみたほうが良い.
4月末: 雪もすっかり融け、徐々に息を吹き返したように成長を始める.この時期にしておくのは、まず芝生用の除草剤の散布である.自分は、MCPPを使用している.これを1000倍くらいに薄めて撒布する.そうすると3~4か月の間は、雑草が生えずらくなる.これは撒布しないで自分でこまめに手で抜くというのでも良いのだが、余り手間をかけずに芝生の手入れをするならおすすめである.また、雑草も芝生が密になればなるほど生えにくくなるのだが、油断しているとそこそこ生えてくるものである.
芝生用除草剤を撒布後1,2週間ほど時間を空け今度は芝生の肥料と芝生の種の散布を行う.この際に芝生の目土を用意しそれぞれを適量混ぜて撒布用の土を作ると効率的である.これでなければならないというわけではなく、それぞれ別々に散布するのでも良い.混合する利点は芝生の種が風で飛びにくくなることである.
ここで今回のお題である「芝生の目土の注意点」のことであるが、かれこれ庭の芝生を育て始め、失敗を繰り返しながらも30年程度経過した.その間、毎年春に芝生の目土を追加していった結果、芝の部分が平均10cm位高さが上がってしまった.この間、芝生の張替えもし、余分な土をはがしたりしたこともあったけれど、結果的に毎年の目土の散布によって芝生面が上昇することに気を付ける必要がある.そのためここ数年、目土を加えるのを少量に控えている.
最初に書いたように芝生に目土をすることで元々の土壌を芝にあった土壌に変えていくメリットがある.肥料も石灰も土の改良に必要だが、土そのものを変えるということは土壌改良には大きな利点である.だから、あまり生育が良くないと感じたら芝生の目土で改善することもできる.
5月から9月: 4月に加えた肥料の効果で芝生はどんどん成長する.そのため1週間に多い時は3度くらい芝刈りをする.芝刈りで注意する点は、刈高の調整である.絨毯のようなきれいな見た目にしたいとか、芝刈りをする回数を減らしたいと考え極端に刈り込んでしまいがちだが、余り芝高を低くすると徐々に芝生が弱ってくる.やはり十分な芝生の根を張らすためにはある程度の光合成をするための面積が必要である.最初は5cm以上で刈るのが良いだろう.しばらくし、成長した芝生の高さが不ぞろいになった時に芝刈りをするという作業を繰り返すことになる.
自分の庭の芝の種はケンタッキーブルーグラスを使用している.本州では雑草扱いされるようだが、寒冷地の北海道では、これが主流である.寒さには滅法強く、雪の下でも青々しているのはブルーングラスである.しかし、難点はやはり暑さに弱いということである.北海道の夏は、30度を超える日が何日も続くようになってきた.水不足と暑さで簡単に枯れるか弱ってくる.そうなると見栄えが悪くなるためオーバーシードする必要が出てくる.オーバーシードも一年中芝生が緑になるという利点があるが、欠点もある.その大きなものが芝生の種類によって緑の色が異なるという点である.一種類の芝生で庭を造ると色が統一されて本当に綺麗なのだが、こまめな適量の水やりなどの手入れの頻度が上がってしまう.
基本的に芝生を手抜きしながら綺麗に維持していくというのが続けるコツと思っているので少し残念なのだが暑さに強い芝生の種も撒いている.そのため、時には新札幌にある雪印の販売所に行き、暑さに強い種類の芝生の種を購入して撒布している.ブルーグラスでも色々な種類があり、更にベント、トールフェスク、バミューダなど北海道に適したものがあるのでどれを購入してよいか迷う.更に実際に撒いて成長しないと芝生の色というものが判らないのでこれは賭けのようなものである.そのためまだらが目立つことにもなるが、その辺りは気になる人は気になるだろう.自分もできるなら同じ色で揃えたい派なので、余りにもまだらになった時はがっかりしたものである.それでも手抜きをしながら芝生を維持するためにはそれなりのあきらめも肝心である.
10月から11月:そろそろ外気温も下がり、芝生の成長も止まる.このころは芝刈りをすることもなく冬への備えをする時期である.
まずすることは、芝生用除草剤の散布である.9月でも良いが夏の暑い時期に散布するのは止めたほうが良い.理由は、除草剤は植物の成長を抑制する作用があるため芝生の成長を弱らす可能性がある.特に暑い夏場はただでさえ芝生も弱っている時期なので涼しくなったころ10月くらいに散布するのが良いだろう.そうすると夏場に飛んできた雑草の種などが年を越して成長しにくくなる.
更にこの時期に、枯芝の除去を行う.芝生用のレイキを使って丹念に行うと驚くほど芝の枯れたものが集まってくる.枯れたものが芝生内で分解され肥料となるのなら良いが、分解するまで相当時間も必要で更に枯芝が表面を覆い、蒸れや地面の呼吸を妨げる結果となるのでなるべく除去するのが良い.この作業は、年に1回以上は行う.その作業が終わった後エアレーションを行い、来年に備え芝生の根切りと同時に地面を呼吸させやすくしておく.
肥料もこの時期に行うこともある.そうすると10月でも芝が青々してくる.芝生が夏の暑さで弱っていると感じたら撒くことも必要である.
ざっと一年を通した芝生の管理作業について書いてみた.芝生も生き物なので手入れすれば手入れするほど答えてくれるし、間違ったことをすれば必ず結果が出てくる.もっときれいに芝生を育てるなら色々な工夫も必要となるだろう.
自分の手入れ方法が、間違っているかもしれないが、実際そうやって芝生を育ててある程度経験してみるとおおよそ正しいいやり方をしているのではないかと思う.北海道の芝生の育て方なので、暑い地域、雨が多い地域の芝生で正しいのか判らないが、寒冷地では書いたようにやっていくある程度手抜きしながらでもきれいな芝生を維持できるのではないだろうか.