ライラック

 曇り、気温は15度。

 5月も終わろうとしているが、リラの花が満開である。いつもなら6月に入るころに咲き始めるのだが、既に先週から咲き始め今は盛りになっている。この花が咲くころの道内は、ぐずついた天気が続きお世辞にも気持ち良い季節とは言いにくいものがある。最近よく言われる蝦夷梅雨の到来を予感させる。そして、そんな季節がやってきてもう1年の半分近くが経とうとしていることを実感させるときでもある。


 リラはライラックの俗称である。木そのものはヨーロッパ原産で日本名はムラサキハシドイという。ヨーロッパ原産のライラックが何故日本にという由来探しになるが、北星学園創立者の方がアメリカから持ち込んだらしい。その後道内の各地に植えられて広がったようだ。

 そのようにして外国から持ち込まれ道内に根付いた木はどれ程あるかしらないが、草花などは、多く存在する。観賞用に持ち込んだもので野草になってしまったセイタカアワダチソウもその一つだろう。従来からあるものを駆逐して瞬く間に広がったものの一つだろう。

 ライラックは外国から持ち込まれ、いつの間にか北海道の季節を代表する木になった。そしてその名前を冠にしたお祭りが開かれるようになった。それは、桜が春の代名詞ならライラックは夏の始まりの代名詞である。

 これから訪れる短い夏の前触れに心を落ち着かせる役割をさせる木である。