北海道の景気は?

寒い日がつづく道内ですが、景気も同様冷え込んだ状態です。

 その景気低迷を跳ね返す力が道民にあるかという問題になるのでしょうか。

 大部分の道民の先祖をたどれば本州からの移民であり、北海道に移り住んで精々3代目、4代目が殆どを占めているのではないでしょうか。それを想像するに、まだ開拓者精神が残っているというべきか、あるいは根無し草のように定住地を持たずまたどこか別なところに移り住むような気持ちを持つ人が多いのか、さてどちらが主流なのでしょうか。
 
 北海道にある多くの企業は、多くは本州を拠点とする会社の支店が殆どですから、北海道で売り上げた収入の大半は、本社があるところへ吸い上げられ、北海道には直接降りてくることはありません。還元されているのは、そこで働く人たちの所得や、設備投資のぐらいでしょう。(いわば植民地状態なのです。)
 それが、北海道の景気回復を遅らせている事は間違いありません。

 また、北海道の主要産業である農業、漁業などの1次産業は、原料の供給のみですからそれに付加価値をつける事がなければ、またそれが加工品として戻ってきてお金が本州側へ流れていってしまう事になります。
 
 また北海道の主要産業の一つである、公共事業も減少傾向ですし、そもそも公共事業の請負主体は、本州の大手デベロッパーですので最初から北海道にはお金は入ってきていません。
 
 唯一の例外は、観光産業だけかもしれません。
 
 今後、植民地状態から抜け出すには、大元を『地産地消』の循環型地域経済を構築するしかないだろうと思います。
 そして、その消費するものが良いものであれば、道外に輸出するという仕組みを作らなければなりません。

 こう書くと、なにか鈴木宗男さんを思い出しますが、彼がやった事は、自分があって北海道があるという視点でしか物事を考えていなかった。彼が北海道のためにと言っていくら公共事業を持ってきたところで、その予算の大半は道内に還元されずに彼の懐に還元されてしまったのが大きな問題だったと言えます。
 
 北海道の景気回復は、いくら公共事業を行ってもがん患者に高カロリー輸液を点滴しているだけの状態に過ぎず、根本的な治療をするには本幹を治すしか方法はないのです。
 皆さんの周りの小さな芽を育て大きな木になるように育てるしかこれからを豊かにする方法は無いのは間違いありません。