北海道の未来を考える。

前回のエントリーで北海道の景気は冷え込んでいると生意気にも書いてしまったので、ついでにそれなら今後どうすべきなのかを引き続きエントリーします。

 1.公共事業
 北海道の公共事業の主要発注機関の工事契約額は平成15年で1兆4324億円となっている。この金額は、およそ全国の公共事業のうちおよそ8%の額である。
 この金額が多いか少ないか妥当なのかは、見方、例えば2004年9月時点で道民の人口はおよそ567万人で日本の人口は12600万人であるので、人口比は4.5%であり、土地面積では北海道の面積は日本の22.1%を占めている。と物差しを変えれば見方が変わるものなので評価は難しい。

 また、北海道の年間予算規模は約2兆8000億円規模である(この中には公共事業費も含まれている)から北海道における公共事業費の北海道経済に占める割合の大きさが伺える。

 公共事業の執行は、事業内容が予め規定されそれに応じて予算が決められている。そのため、工事の途中で安価な方法が見つかったとしても、そこで予算を削減される事は無い。逆に工事途中で予算がオーバーした場合、そこで工事が中止され次年度に予算が認められれば継続工事となる。
 予算の良いところは、年度ごとの会計処理がしやすい点にある。しかし実際の工事の運用では、予算が最初にあるため見直しが出来ないという欠点がある。
 
 そこで、提案としては、同の行う公共事業に関しては、月毎の予算の見直しをするという方法を取る事である。事務処理が煩雑になるのは、目に見えているので最初は半年毎の事業予算の見直しを行い、その都度事業評価を行う。
 また公共事業の事業の総枠化を行い、その枠内で自由に公共事業を計画し行う制度の導入。
 また、公共事業費のストック制を行い年度をまたいで事業を行う場合、年度毎の執行でなく数年規模の予算枠を設けることが必要である。
 また公共事業の大部分を道内の企業に完全に任せる必要がある。これは、道内企業への優遇策となるが、永続的なものではなく5年或いは10年の期間限定策にすべきだろう。その中で、技術的に困難な事業は、大手の技術が必要になるだろうが、それを大手企業頼みにするのではなく道内の企業独自でその技術を身につける努力をさせるべきである。そのためにも何年かは公共事業の受注企業を制限するのもやむ終えないと考える。

 2.観光事業
 北海道の観光は、自然を相手にしたものである。ただ最近は、その自然のもつ素晴らしさだけでは、通年或いはリピータの観光客を呼べないという事で自然プラス付加価値をつけようと努力しているが、サホロリゾートの様に上手く事業として成り立たないというのが現状のようだ。
 北海道のリゾート地は、交通の便が良くないという欠点がある。遠くから飛行機で何時間もかけて北海道に到着してから更に列車バスなどでまた何時間をかけて移動する。やはり、時は金なりである。空港に降りてから目的地に楽にそして早く送り届けるかが成功の鍵になるのではないだろうか。その点で言えば現在建設中の高規格道路も有効利用していかなければならない。
 また、北海道にも色々なテーマパークができ、また同様に消えていった。このテーマパークのつくりが全て同じようなつくりであり規模も同じようなつくり、これでは1回行けば2回目は行かなくても良いと思わせるものばかりであった。何が足りなかったかは明白である。規模がどれも中途半端であった。或いは特色があるのだけれども1回で全てが見終わってしまい。次に見に来るところが無いのであった。もし、キャラクターで見せるなら、TOKYOディズニーランドの様に1回では回りきれないくらいの規模にするべきである。もし、それが叶わないのなら体験型のものを来場者に作らせそれをまた見せる或いはまた作らせる施設にするべきではないだろうか。
 また、観光地のお土産売り場の景色が全て同じである。お土産を買うにしても、雰囲気が大切であるし印象も大事である。その土地の香りがする売り場にする必要がある。画一的な景色では、記憶に残らないし、空港のお土産販売で購入すればいいと思わせるつくりでは観光客に受けないのではないだろうか。

 3.農業
 この分野に関しては、国の政策による影響が大である。今後必ず食糧危機が近未来にやってくるのは間違いない。それが、国家間の問題であったり、気候の影響だったりするかもしれないが理由はともあれこのままではいけない。
 食糧供給は、安い外国から購入すれば良いという政治家もいる。私は間違いだと思う。食料は国家の基本である。ここをおざなりにしては、世界で生き残る事は難しい。もしアメリカが小麦を売らないといったらどうするのであろうか。
 世界の気候は、温暖化に向かっているとしたら、北海道は高緯度にあるので気候的には優位な立地にあるといえる。
 そこで今までの農業政策の問題点である。北海道の農業は、規模の拡大と大型機械の導入で進められてきた。そろそろ見直しをする必要がある。
 問題点は、農業に適した土地は、工業団地にも適しているし、そして住宅地或いは商業地にも適しているのである。消費地に近い農地は、少なくなってきているのが現状である。また、消費地から遠い山間地の農地は離農で捨てられた状態である。
 そこで、今ある農業用の土地の消費地に近い場所の農地転用を制限する必要がある。そこで、将来的に食糧危機が来た場合に備え北海道はどの程度の生産量が必要かを明らかにする必要がある。それを元に現在の生産種類を変えていきそれに伴う必要土地面積を算出し、必要最低限の転用ですませる事ができるようにすべきである。
 次に、農業後継者の問題である。農業を一家族の問題とせず、国又は道の政策として関与する必要がある。まず考えなければならないのは、後継者がいない農家の場合である。後継者がいない農家の場合、土地を道が借り上げるようにすればどうだろうか、永久に借り上げるのではなく10年程度の期間借り上げを行い、就農希望者に貸し与える。また、農業に携わりたいと考える人のための農業研修センターをつくり、その中で農業に向いていると思われる人に一定の期間低額で貸し出す。もし今後とも農業を続けられそうであれば土地を買ってもらうことにする。今までの減反奨励金をばら撒いていた事を考えれば安いものだと思う。あと、米は政府が買い上げしている。一部自由化しているが殆どが国に入る仕組みになっている。それが、米さえ作っていれば大丈夫という意識につながっているのではないだろうか。

 以上、長々と書き連ねたが、ここまで書くと結論はやはり日本から北海道は独立するべきだという事である。
上に書いたようなことを実際に行うとしたら、保護貿易を行うしかない。北海道に入ってくる品物に対して税金をかけ、その税収で道内産業の育成を図る事が早道であると思う。
 今までの北海道は、自分達が開拓地に暮らしているという考えに立ち、そのことを理由に国に面倒を見てくれと言って来たのである。でもそろそろ開拓地というレッテルを剥がし、一つの独立した国家として生きる時期が来たのではないだろうか。
 ここで暮らしている分には、何も不自由無く暮らしていく事が出来るしかしそれが永続的につづくとは限らない。この安定した時だからこそ未来に向けて考えを進めていく必要があると思う。