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厚生労働省は分野を問わず幅広く手掛ける医師の診療科として「総合科」を新設すると決めた。
これはグッドニュースである。上手く機能すれば言うことが無い。しかし問題は多々ある。
一つは、認可の仕組みである。技能が伴わない医師を認可するような仕組みでは意味が無い。
現代の医師は、極端に専門分野化し、すべての医師がありとあらゆる病気を知り、治療法を知っているとは限らない。悪く言えば「専門バカ」と呼ばれる医師もすくなく無い。
それを、どのように選別し認可するのか興味がある。
しかし、優れた総合科と呼ばれる科を標榜できる医師が続々誕生すれば、少しは医療が変わるのではないかと期待している。
この流れは、研修医制度と相通ずるものがあるというかその一連の流れなのであろう。将来専門分野に進む医師も一度は別の科の診療を経験することで、知識の限局化を防ぐ狙いがあるのだろう。
またこの仕組みは、以前より病院内の初診患者向けに総合外来として設けていたところもあるし、僻地医療に取り組む医師に対して総合的な医療の学習を行う制度も有った。
今後、正式に総合科と名乗ることが出来、更に幾分かの診療報酬もプラスされる方向なので上手く稼動して欲しいと切に願う。
現代の医療は専門化しているが、外来に来る患者さんの病気も直ぐに専門外来を紹介するような状況ではない。詳しい問診、診察、検査で漸くどの科の病気か判断できる場合が多いのである。
それを、受付の事務職員、或いは外来受付の看護師が判断しているのが現状である。
それをある程度省略し医師の診察をまず受けさせるのは時間的にも治療を開始する上でも良い選択である。
しかし、これが上手く行くには、やはり医師の技量がものを言う。更に、上手く情報を引き出す能力を兼ね備えていなければならないと思う。
その辺り、病院運営責任者の判断も必要になってくるだろう。