紙一重

最近続けて起きたこの事件とかこの事件、ニュースを聞いたり見たりした人の大部分は、何故こんなことをするかなというのが最初の感想で、世の中にそういう人が一杯居るから気を付けなくてはと考えていることだろう。

 しかし、実はこう考えてみてはどうだろうか?

 「人間の本質の中に、犯罪を犯してしまうような短絡的思考を引き起こすスイッチが隠れている。」

 例えば、物事が上手く行かなくて、物に八つ当たりをして足や手に怪我をする。これなど、固いものに自分の当てても痛みを感じるのは自分だということに気付いていない行動である。もしここで冷静になることができたなら、痛みの強さに怖れをなし行動に移すことを止めるだろう。

 しかし、時と場合によっては、それを行動に移す人が多いのである。

 犯罪の本質もこれに近い。これをすれば自分は逮捕される。社会的地位を失う。死刑になる。という将来予想される事実を無視してまでも、或いは無意識の内に思考停止してしまうのである。

 以上のように考えれば、人間は、犯罪を犯す生き物だということがわかるだろう。そしてそれと同時に、一見大人しそうに見える人だとしても外見だけでは判断できず、「人を見たら泥棒と思え」が現実なのだ。

 そのように考えれば自分も未来の犯罪者予備軍の内の一人ということが認識できるのではないだろうか。

 とはいうものの、この世に生まれ逮捕されるような犯罪を犯すような人は少数で、それだから普通に日常生活を送って行けるのも事実である。
 
 今後も平穏な生活を送るためには、短絡的思考に陥りそうになった時にどれくらい自制心を働かせることができるかがポイントになるだろう。更にその犯罪に会わない様にする為には、「やはり君子危うきに近寄らず」だろう。