組織

ようやく冬の嵐が過ぎ去り、今日は朝から晴天である。日中の気温はプラスになりそうである。 


 人は、好むと好まざるとに係わらず、生まれながらにして組織の一員となる。その大きなくくりとしては、日本国籍というものである。

 小さなくくりとしては、家族の一員としてこの世に生れる。そして成長するにしたがって、隣近所の一員として受け入れられ、子供のグループができそれと平行に幼稚園なり保育所なりのグループに取り込まれ義務教育、高校、大学、就職というように大人になっていくのである。

 その過程で、色々な組織を渡り歩くことになる。

 さて、その組織の中の一員として加わっているには何かに服従する必要がある。それは、強い服従であったり弱い服従で有ったりする。
 その逆に組織は、構成する人たちを統率する必要が生れてくる。その方法は、色々有るだろう。

 まず力、これは暴力的である場合もある。
 金、これは労働や行動に対する対価を補償してくれるシステムである。報酬が補償されて始めて行動に移るというのが普通である。
 これに代わるものに物がある。
 精神的なもの。これは宗教的なものであったり、運動団体で有ったりする。
 
 暴力による支配以外は、それぞれ人間の欲望を満たすことで支配するということになる。それが上手く機能することで組織は動くということである。

 組織を動かすために支配する側は何をしなければならないか?

 まず第一は、情報の統制だろう。外界からの情報を遮断し、組織の都合の良い情報を内部の人間に与え、自分たちの一員であることが幸せであるかを信じさせる。これは、本当に幸せである場合も有るし、外から見れば不幸せのように見える場合もあるが、内部の人間の大多数が幸せと感じていればよい。

 外部からの隔離。人が行き来するのに制限を加える。外部からの情報を遮断することにも使える。

 洗脳。悪く言えば人を精神的に縛り付けることになるが、それを信じさせることで少なくとも底辺にいる人間より自分が幸せであると信じさせることだろう。

 報酬。これは閉鎖的社会であれば好都合である。支配する側がレートを決めることができる。

 後は、組織にいる不平分子の排除ということになる。

 ここまで来ると、何やらどこかの独裁国家や、事件を起こした新興宗教と一致してくる。

 そしてその組織の崩壊が対立する勢力の攻撃であったり、内部からの崩壊であったというのは歴史が証明してくる。
 いくら組織の中が幸せでも、その中から飛び出そうという人間は、一定の割合で発生するからである。それは、どんなことをしても防ぐことはできない。
 そして、また新しい組織に生まれ変わっていくわけである。