草津 vs 札幌

CS 正田スタジアム

 正田醤油といえば有名な会社である。その名を冠した競技場は、心なしか醤油の香ばしい匂いがして来そう。しかし、その芝は、醤油の影響で所々茶色くなっていた(嘘)。これは醤油の影響でなく夏の高温の影響か。

 試合は、これまでの戦い通り、札幌の前線からの早いチェックから始まった。あれだけ札幌の選手が前に居れば後ろはがら空きと思ってしまうが、相手もそのチェックのため後ろに選手を置く戦いにならざる得ない。

 このあたり、草津にスーパーなFWが2枚居れば札幌の守備を崩せたかもしれないが、一枚では中々仕事は出来ない。

 その札幌に前半早々ビッグチャンスが訪れる。キリノ選手からの横パスを後ろから走りこんだダニルソン選手が足であわせるがゴールを外れる。こうした好機をものに出来ず無得点のまま試合が進んでしまうのが今までの札幌だった。

 しかし、古田選手がスタメンに入ってからの札幌は一味違う。その後、宮澤選手のクロスを西選手が綺麗に頭で合わせゴールネットを揺らし。札幌が先制する。

 その後は、札幌の怒涛の攻めが続く。

 草津がゴール前に詰め、攻め込んでいた時にダニルソン選手が相手陣内に大きく蹴り込むと、それに追いついたキリノ選手が冷静にゴール。キリノ選手は、こういう走りこんで打つシュートが本当に上手い。ただいつもこの型にはめ込む事は札幌には出来ないのが惜しい。

 その後、前半終了間際に、今度はキリノ選手から出たボールを西選手が上手くゴール右隅に蹴りこみこれで3-0とする。これで勝負は決まったと言える理想の展開。

 前半が終了し、後半は札幌が冷静に試合を運び相手を零点に抑えれば文句の無い試合といえる。

 後半開始後、また札幌が草津ゴール前でFKのチャンス。そのFKを藤田選手が決め、4点目を入れる。今季初ゴールの藤田選手が手を広げ味方選手に迎い駆け出し、古田選手と抱き合うかと思えばそれをスルーして趙選手に抱きついたのは、チーム内の関係を示すものか。古田選手に逆サイドに追いやられライバル心が少し垣間見えた。それもチームには必要な気持ちである。今までの藤田選手は、若手で他の選手に遠慮しすぎていた嫌いがある。いい意味での自己主張とも言える。

 そして大きくリードした札幌は、守るのか攻めるのかあやふやな状態に成ってしまった。そして是が非でも得点を取りたい草津に圧倒され始め、カバーの遅れから相手に一点を返される。

 その後札幌も、メンバー交代を行い、相手に押され始めた試合を自分たちの物にしようとする。そして、交代で入ったハファエル選手のシュートのこぼれ球を宮澤選手が蹴りこみ5点目。これで本当に試合は決まった。このままゲームを終わらせれば、札幌にとって良い終わり方に成るところ、またもや草津の選手のミドルシュートを決められ2点目を入れられてしまう。

 相手の2点とも、今季発先発の高原選手が一歩も動けず決められてしまった。この試合、枠内に飛んだボールの2度の守備機会で失点してしまう。高原選手の反応の遅さは始めての試合だからか。それでも札幌がリードしていたから良かったものの、もし接戦であの守備では先が思いやられる。少なくとも2点目は反応して欲しかった。

 大量リードで勝には勝ったが、相変わらず守備に課題を抱える事となってしまった。