派遣制度

厚い灰色の雲が空を覆っている。夏なら大雨を降らすような雲である。しかし得てしてこういう雲は、雨、雪を降らさない。大概雪を降らす雲は、高層にある白い雲のときが多い。 朝のTVでは、盛んに関東地方に大雪が降るといっていたが、雨のようだ。しかし、雪の多い地方にとってその程度の雪が降ることで大騒ぎする事が不思議である。更に積雪15cmとは言っているが、そのうちの半分以上は熱で溶けてしまうだろう。実質4,5cmの雪だろう。 確かに夏靴では、転倒事故が多発すると考えられるのでその点は注意が必要である。更に夏タイヤは、間違いなくスリップするので、車での外出は控えた方が良いだろう。 派遣村が無くなり、そろそろニュースの旬としての生きの良さが薄れてきた感がある。 確かにこれも必要なガス抜きの一つであり、これによって色々な対策が動き出したと思われる。  そもそも派遣は、景気が良かった製造業のために作り変えられたといってよい。以前の派遣は、特殊な技術を持った人を期間で雇う事で不足していた有能な人材を有効活用しようというものだったはず。 しかしそれに製造業が加わる事で、雇用の調整弁としての役割を担う事となった。更に好景気の影響で、製造業の労働者不足を上手く補う仕組みとしては有益だったといえる。  しかし、一端不況になると、単純労働の派遣は真っ先に切られる事となってしまった。一番不景気に弱い部分が派遣労働者だったから今回のような騒動になった。日本の製造業がこのまま順調に仕事を続けていたら、色々な批判を受けつつもこの仕組みは変わることなく動き続けた事だろう。 だからこの不景気は、派遣労働にかんしての問題点をあぶり出したと考えてよい。だから、派遣業態を、以前の特殊な能力を持った人材を派遣する派遣業と、単純労働を行う派遣業と切り離すべきだろう。 特殊な能力をもった人材は、不景気になろうともそれなりの需要を持つ筈であるし、派遣システムそのものに問題は少ないと思われる。 しかし、単純労働の労働者の派遣に携わる企業は、昔の手配師の伝統を引きずって灰色もしくは真っ黒なブラック企業も多いと思われる。その部分は、今回問題になったように不当なピンはねや、募集時の条件と違うといったことが実際起きている事からも判る。 そういった単純労働に関わる派遣会社の整理というのも必要だろう。それが社会的に必要悪だと放置する事が更に派遣業全体のイメージを悪化させる元となるだろう。 それを防ぐためにもきちんとした法律整備をした上で派遣業界を適正な方向へ誘導するという事も政府の役割である。 自由化、規制撤廃は歓迎すべき点も多いが、その自由という隠れ蓑のなかで不正を働く輩も出てくる。こういった不正を行う輩を摘発し被害を防ぐもう一つの監視というのは当然必要である。 今回の派遣労働にしても、色々な不正な行いが以前から言われているのにそれに対して規制する法律や監視機関が無いため見過ごされていた経緯がある。これを機会に本腰を入れてより良い制度にしていってもらいたいと思う。