札幌 vs 栃木

 CSで見ました。


 まだ暑い札幌の昼間に試合開始となった。もう少し遅ければそれなりに暑さも凌げたはずだが、主催者はそのあたり考慮してはいなかった様だ。

 試合は、栃木のプレッシャーが殆どないまま前半が始まった。これ程相手から圧力を受けない試合は、札幌にとって久し振りだったに違いない。前半の前半は札幌が優勢に試合を進めた。オフサイドにはなったが幻の内村選手のゴールが有った位であった。

 ボールを廻しチャンスを作るのに得点を決められない。絶対的ストライカーが不在という今の札幌の状況である。他のJ2のチームはどこも似たような状況ではある、

 だからボールを支配しながら得点を入れられず引き分け、敗戦など良くある事である。だから今の位置に札幌がいる最大の理由だろう。

 前半、足が止まり始めたころから栃木に攻められる。それなりに危ういところが有ったが何となく相手もシュート力がなく0-0で終了。

 

 後半も前半と似たような試合運びで引き分け。

 見ていて残念なのは、期待された藤田選手の成長が止まったことである。あれだけ不正確なパスでは、代表に選ばれることはないだろう。何が彼をあれ程劣化させたのか原因を知りたい。後半途中の相手のファールに対してあれだけ怒る彼は彼らしくない態度だった。このところの調子の悪さが精神的に不安定になっているかもしれない。

 札幌の選手たちは、この夏場に来て体力的に落ちてきているのは明らかである。まさしく夏ばてである。まったくもって体調管理の失敗である。かといって体調の落ちた選手の変わりに出場させる代わりの選手がいないらしい。

 これも選手数を絞ったための弊害である。もしここにレンタルしている西選手やダニルソン選手がいればと思う。あと故障で出れない選手が戻っていればとタラレバ状態である。つくづく選手層の薄さを実感する。

 しかし、札幌がこれまで怠ってきた選手の育成の失敗の付けが結果として現れたといって良い。それは場当たり的な補強を繰り返し、折角育てた有望な若手をチームのためと売り払ってきたつけである。

 なぜ、他の札幌より規模が劣る地域のチームが今、札幌より上にいるのか今となっては不思議としか言いようがない。お金がないというだけでは済まされない問題である。

 実際、札幌より経営的に苦しい山形があれだけ健闘しているのを見ると悔しさがこみ上げるほどである。

 良く野球の日ハムと比較されるが、ドームが出来た時の人気は左程変わらなかった。営業努力の差というけれどそれとは違ったものが何かある。それは、勝つチームを作れなかったことである。

 勝つ事でチームは出来上がり伝統ができる。負けても良い試合を見せてくれという綺麗ごとが通ずる事はない。勝って初めて同じ土俵に立てるのだ。だからどんなに汚くてもかっこ悪くても勝たなければ始まらない。

 昨日の試合。勝たなくても札幌が走り有利に試合を進めていた。まさしく札幌の選手の全力プレーを見ていたわけであるが、あれを見てまた来ようと思う人は、何試合我慢できるだろうか。結果が出ない良い試合が果たして観客増につながるだろうか?