育てる気持ち

 雪がちらつく朝である。気温は当然マイナスである。この雪も午前中には止み、今週後半は気温が上がり雨模様になると予報では伝えていた。

 
 いま日本の政党は危機的状況にある。それは、国会議員が全て万能だと国民が思っていたはずが、実は自分たちと同じ素人が政治を行っているからである。

 そのことを国民が理解していたならこのような危機的な事態には及ばなかっただろう。

 では、我々普通の人間が指導的立場に立った時まずどうするのかから始めなければならない。その一つは、やはり引継ぎだろう。政治の素人に初めから国のような大きな組織を動かす技量などない。

 更に官僚は、頭が良いがその実態は、動く計算機のような存在でしかないことに気づくべきである。だからいくら官僚に期待しても、全て何でも正しい回答を導き出すとは限らない。

 そして今回の民主党政権は、政治を経験した古参議員がいない点である。自民党政権時代は、何十年も議員活動を続けて官僚より知恵をつけることのできた議員もいた。

 そんな議員は弊害もあるが、政治の進め方の要点は知っていたから、その議員にお伺いを立てれば何とか乗り切ることもできた。しかし、自民党政治も時代を重ねることで自分で考えることのできる政治家がいなくなり、選挙で受かることが目的とする政治家が増えてしまった。

 では、経験のない国会議員に政治を行わせるとどうなるか、正しく今の国会のような混乱である。全てが新しく試行錯誤の繰り返しである。
 
 今まで、外野で文句を並べていれば良かった国会議員が、いざ仕事をさせられると途端に今までの歯切れの良かった発言が減り、口ごもる事が多くなってしまった。これは責任の成せる業である。

 もし日本国民に耐える力があるのなら、今は政治家を育てる時期である。今の世論は、政治家を叩くことに血道を上げている。能力のある人間は、確かに叩くことでまた強固な人間に生まれ変わることが出来る。
 しかし、今の民主党の国会議員は、叩くことで萎縮する。足腰が弱かったものが更に立てなくなるほど弱ってしまうである。

 過度の甘やかしは、子供と同じで厳禁であるが、適度の誉め育てなければ政治家は育たない。言うなら子育てと同じである。暖かく見守ることも時には必要である。それが国民が民主党政権を選んだ事の義務である。

 もし今後民主党政権が自民党政権にまた変わったとしても育てることには変わりない。同じである。国民が一緒になって育てることが必要になることは変わりない。そこから新しい時代の政治を生み出すことになるのである。

 今のやり方は、日本を弱体化しようとする陰謀を日本人自ら行っているのである。