内部被ばく

 晴れ、気温はぐっと下がり4,5度になってしまった。朝晩の気温の変動も激しいが、毎日の気温の変動も激しい。地球温暖化の言葉は、何となく暑い日が毎日続くと思いがちだが、あくまで平均気温の数値を比較しての温暖化である。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110531ddm001040062000c.html) 

東日本大震災:福島第1原発事故 東電社員2人被ばく ヨウ素剤服用怠る

 ◇東電、不備認める

 東京電力福島第1原発で働く男性社員2人の累積被ばく量が、同原発事故対応に限って引き上げた上限の250ミリシーベルトを超えたとみられる問題で、2人が放射性ヨウ素の体内蓄積を防ぐヨウ素剤を、内閣府原子力安全委員会の助言に反し1度しか服用していなかったことが30日分かった。2人の甲状腺からは他の社員の10倍以上のヨウ素131が検出されており、ヨウ素剤の適切な服用で過剰被ばくを防げた可能性がある。

 ヨウ素131は、半減期が8日ほどの放射性同位元素である。また普通の自然界では存在せず、ウランが核分裂することで生じるものである。

 今回の内部被ばくの元となったヨウ素131が、水素爆発が起きた3月のものであったとして、丁度2か月半が経過してなお検出されるレベルの量がまだ甲状腺に蓄積しているとしたら相当の吸引をしたことになる。ただし、どの程度の量を取り込んだか正式なものが書かれていないため何とも言えない。

 しかし、今回の事故時の状況が地震、そして津波、そして水素爆発ということで緊急の対応が非常に厳しい状況で作業が行われているので、満足な防護ができていなかったと思われる。

 

 ここにも絶対安全という安全神話が、非常時の体制にも影響を与えたということだろう。更に甲状腺ブロックであるが、今回服用開始は、事故の直前あるいは直後に服用すべきだったのだが、非常時のヨウ素剤がきちんと作業員に配られたのだろうか、もし事故が起きた後に服用しても吸引した後だと無意味だったかもしれない。

 しかし、今回の事故に対する対応の不味さは、素人レベルに近い。日頃訓練を行い非常時の対応を作業員が覚えていれば、こういった重大事故にまでいかなかった可能性がある。

 非常時の訓練は、事故を未然に防ぐための訓練である。マニュアルがあっても実際実践してみると不備が見つかるものである。

 原子力発電所の事故は、一度起これば取り返しのつかない被害をもたらす。非常時に備えるという会社挙げての体制がとられていなければ、今後も同様の事故が起きる可能性がある。

 今回の事故は、日本人にとって多大なる被害と教訓を与えたものと思う。