壮大な実験

 曇り、気温はプラス5,6度と徐々に上がってきている。日中は晴れ更に気温は上がっていくようだ。

引用 MSN産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110415/dst11041506590008-n1.htm
 

福島原発、地下水の放射性物質濃度が上昇 1週間で数倍〜数十倍
2011.4.15 06:57
 東京電力は14日、福島第1原発1、2号機付近の地下水に含まれる放射性ヨウ素やセシウムの濃度が、1週間で数倍〜数十倍に上昇したと発表した。付近の高濃度の汚染水が地下にしみ出した可能性があるという。経済産業省原子力安全・保安院は東電に監視強化を口頭で指示した。

 1〜3号機のタービン建屋や建屋外の地下には大量の汚染水がたまっており、2号機建屋外の立て坑の水位は、13日夕から14日午前にかけて約4・5センチ上昇。保安院は、汚染水の回収が十分に進まない中、原子炉への注水も続いていることが、地下水の濃度上昇や立て坑の水位に影響しているとみている。

 あれだけ外部から水を注入しているのだから、入れた分は必ず外に出てくる。それだけのことである。数回の地震で建物自体にひびが入りそこから地面に漏れた分、更に外からの注水で上手く入らなかった分が地面に落ち、その地面に積もった放射能の灰が洗い流され地面に染み込む分、それだけでも十分な放射能が検出されるわけで、これまでの被害の状況から逆に少ない方だろう。

引用 NHK(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110415/t10015325691000.html

汚染水のタンク 設置は来月末

高濃度の放射性物質に汚染された水の処理が課題になっている、東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水の移送先の1つとなっている仮設タンクの設置がすべて終わるのは来月末になる見通しで、冷却機能の回復に向けた作業は先が見えない状況が続いています。

福島第一原発には、高濃度の放射性物質に汚染された水が大量にあり、冷却機能の回復に向けた作業の妨げとなっています。このうち、2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルにたまった、放射性物質に汚染された水の一部およそ660トンが、13日、復水器に移されて、作業がいったん終わりました。トレンチの水位は、作業前に比べて8センチ下がったものの、その後上昇に転じ、14日午後6時には水位が7.5センチ戻ったということです。また、復水器への移送を終えたあとの移送先となる「集中廃棄物処理施設」では、水漏れを防ぐための点検作業に時間がかかっており、2号機以外では移送を始めるめどが全く立っていません。このため、別の移送先の候補として、仮設のタンクや、メガフロートと呼ばれる鋼鉄製の人工島の導入が予定されています。このうち仮設のタンクについては、14日までに1000トン分、敷地内に設置され、東京電力では、汚染水を移送するためのホースをつなぐ作業を急ぐことにしています。今後、合わせて2万7000トン分の仮設のタンクを設置する予定ですが、すべてのタンクが設置されるのは来月末までかかる見込みだということです。さらに、これらのタンクは放射性物質を遮断することができないため、高濃度の汚染水を入れる前に濃度を下げる方法などを検討しており、汚染水の移送に時間がかかることから、冷却機能の回復に向けた作業は先が見えない状況が続いています。

 核燃料棒の冷却作業に注水する水のIN-OUTを考えれば当然の理屈である。入れた分は出てくる。その間に大量の水蒸気となって大気中に蒸発する分を除けば、あふれる量が必ず存在する。

 この先、汚染水は、大量に発生する。汚染水は、この先タンクに貯められることになるだろうが、それが始まるまでは環境中に勝手に流れ出るのを見ているしかない。その量をきちんと把握しておくことが後々大事になる。
 今の東電にそれを管理する能力は無いだろうから、保安院、安全委がそれを取り仕切らなければならないが、それに対応する人員は今の状況では厳しいのかもしれない。

 タンクに貯蔵できるようになれば、ある程度の放射性物質を取り除いた状況で環境に放流することは可能だろう。そのような循環ができるまでは、まだまだ先の様だ。

 今は、その作業の遅さが気になるが、見ている方としてもじれったい気がする。オールジャパンと言いながら、日本の技術力の底が見えてしまった。あるいは、日本の隠れた技術力を本当はこの作業に取り込んでいないのではないかと思われる。

 この作業には、原子力の専門家および技術者が当たっているのだろうが、えてして専門家は、自分の得意分野からの発想から抜け出せない傾向がある。技術的な発想力は、そういった専門的な領域以外の発想が必要だろう。
 
 それを上手く引き出すようなマネージャー役の人間が指揮をとらなければ解決の道のりは遠い。初めての経験をしてこれから学ぶのだろうが、そのための実験台としては、今回の事故は大きすぎだろうと思う。