経験

 曇り、雨が朝方降っていた。しかし今の時間、生暖かい風が吹いてきている。天気予報によると前線に伴う暖気が北海道方面に吹き込み日中は夏日になるようである。まさしく猫の目のように変わる気候が続く。


引用 東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011062802000023.html) 

退陣「再生エネ法成立後」 首相明言

 菅直人首相は二十七日夜、東日本大震災の復興対策本部設置に伴う閣僚人事を受けて記者会見した。自らの退陣時期について「二〇一一年度第二次補正予算案、再生エネルギー特別措置法案、公債発行特例法案の成立が、一つのめどになると考えている」と述べ、退陣は三案の成立後との考えを明言した。 

 何とかこの政治空白を無くして正常な国会運営を続けて欲しいと庶民の自分は願うのだが、中々そうはいかない。権力争いは、権力を欲すれば欲するほど激しくなり、周りを巻き込む。それを望んでいないにもかかわらず、何らかの意思表示をする必要性に迫られそして疲弊する。全く無駄なエネルギーを浪費しているようにしか傍目には見えないのが、その渦中のご本人たちには、冷静になる時間が無い。

 諦めや達観するには、まだまだ世俗から解脱していないのだろう。それにしても団塊の世代のアラシぶりは、生まれ育った環境がなせる業なのだろうか、早く引退し次の世代にバトンを渡せと言いたい。

 テレビ東京系のドラマ 鈴木先生http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/)が最終回を迎えた。

 10回ワンクールの放送で、内容が性に拘った部分が多かった面もあったが、それを通じた自己表現が見るものを引きつけた。 最終回は、本来なら2時間枠で制作すべき内容を半分の時間でまとめてしまったため、鈴木メソッドの本質を明らかにすべきところが省略され、その点は残念である。

 色々な多様性を持った意見があり、どれが正しいという結論は有りえない。しかし、それを理解してその時々に自分で意思決定をしながら生きて行くことが求められ、最善の決断をしていかなければならないのだと言っていると自分は理解した。

 このシリーズのキャッチコピーが「誰も正解を教えてくれない それが学校だ」なのだから、最初から正解は無いと言っている。

 ただそれを理解するには、本当に頭の中を整理して考えないと自分自身の解は得られない。その整理するということを日頃人間は行わない。習慣であったり経験であったりその時々の流れに身を任せ決断を下していく。その時々の感情に流されながらもゆるぎない筋の通った結論を求める術を人は必要としている。

 今回の原子力発電の今後の是非について、続ける、停止するという2つの黒白の間に果てしなく細分化された灰色の部分が広がっている。そのそれぞれがその当事者にとって正しく、間違ったことを言っているわけではない。
 しかし、民主主義と言う社会のルールの中、どれもが採用されるわけではなく、どれか一つ選択しなければならない定めがある。

 このことは、NHK教育で放送されたハーバード熱血教室で行われた正義についての論争と同じである。選択は一つかもしれないが、それに向かう議論は一つではない。その過程の様々な意見は、それぞれ正しい部分を持つ。
 
 絶対的な正義が存在しないと同時に絶対的な悪も存在しない。その中で、どのような選択肢が与えられ共同体の運命を決めていく作業を民主主義国家の中では未来永劫続けていかなければならないのである。

 そしてその結論を導くために、色々な体験をきっちり自分の中で整理をし、それを経験としていくことで経験率を高めることが重要であると鈴木先生は述べている。ただし正解は無い。