曇り、すっかり街路の銀杏は丸裸になってしまった。その姿は何故か痛々しい。朝の気温は5度くらい、予報では雪がちらつくかもと言っている。そろそろ冬タイヤに交換する季節である。

 人は平気で嘘をつく生き物である。あるいは嘘を嘘と思わないで言葉にしてしまい、結局後でうそと分かってしまう。そんな世の中を生きていれば、嘘をついたとしてもどこかで許されると思う人たちが増えるのは致し方ない。

 その嘘つきの世の中を加担しているのが、マスコミであり、国会議員であり、その他の議員である。

 今話題の、大阪市の市長選はその典型だろう。みんなが言葉を発する都度に、それは嘘だろう、本当かという言葉が飛び交う。そしてそれに輪を掛けたようにマスコミが色々な情報操作をしてくる。

 果たして当の大阪市民は、どちらの言葉を信じて投票するのだろう。そして真実を話しているのはどちらの方か?

 更に輪をかけて激しいのが、新聞である。テレビは既に報道としての使命を捨てている。

 今回のTPPの話にしても、千差万別である。どれが正しいのか判らない。同じ朝刊内でも片方は賛成し、片方は、反対派の意見を書きたてる。果たしてどちらが正しくてどちらが間違っているのかそれさえもわからない。報道機関としての役割を放棄しているのである。

 色々多様な意見を載せるのは新聞の役割と言えば役割だが、その判断を読者に任せるというのは都合の良い論理で、自分たちがその判断を迷っているとしか言えない。

 今度、テレビで各新聞社の代表が自社の意見を言い合い討論してほしいものである。その中で答えが出なければ、マスコミは死んだと言って良い。

 嘘を付けない世の中は、生きづらいのかもしれない。だけれども真実を求めているときに嘘をつかれるほど空しいものは無い。