寒気

 晴れ、南西の空に今日も真っ白な半月が浮かんでいる。気温はマイナス20度近くである。非常に寒い。

 例年になく12月に入って寒い日が続いている。これも一種の異常気象の一つなのだろう。
 北海道上空は、北極振動と呼ばれる大気の波の境界に位置する。その振動は丁度北極点を中心に回る傘のヘリが波打つようなものである。

 だから北極の寒い空気が入り込む時もあれば、太平洋上の暖かい空気が入り込む時もある。
 その入れ替わりの幅がここ最近大きくなってきているようである。そのため北海道は、その影響を日本で唯一受けている地域なのである。

 それがもっと激しくなれば、より一層地球の大気は不安定になりいたるところに渦が生まれそれが台風のような現象を生み出す恐れがある。
 その不安定な状態がやがて波が引くようにおさまりまた何時しか何もなかったように大気の不安定さが収まる。
 それは水を入れた洗濯機の渦の中に石を投げいれたようなものである。投げ入れる石は、一個ではなく、2個3個と続けざまに投げ入れることでその渦は乱れるだろう。その乱れは、いたるところに小さな渦を作りやがて消えて行く。そして、何時かまた元のような渦に戻る。

 今の大気の状態は、丁度その渦の中に石が投げいれられた状況ともいえる。その石の数が多ければ多いほど変化の度合いが大きくなるのは自明の理だし、本当に多くなれば渦も止まってしまうような状況にも陥る。

 この寒さに一度入ると、当分は抜けることは無い。その期間は、一週間であるかもしれないし1か月であるかもしれない。


 昨日のNHKでやっていたが、最近ポータブル石油暖房機が売れているという。もし北海道に、3月に起きた地震が来た場合、停電による被害は並大抵のものではない。

 まず建物の倒壊と同時にこの時期に避難した人の暖房という問題が必ず出てくる。もし今の寒気の状態で、暖房の無い家に居たら間違いなく凍死してしまうだろう。
 更に当然水道も凍結するだろうから飲料水も手に入らない。更にガソリンなどが手に入らなければ、除雪車も満足に動かすことはできない。まさしく道内どこにいても遭難する状況になる。

 余り、深刻な予想をしても仕方が無いが、もしそういった状況に陥った時、まず何をすべきかシュミレーションしておくべきなのだろう。