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 曇り、気温はマイナス10度位。

 

 日本はある意味平和である。日本周辺の国がどんどん成長を続け、世界に対してギラギラした欲望をむき出しにしているのに比べ、国内の本当に大事なところの決断ができない。

 昔の日本は、物を売るために必死に世界に飛び出した。飛び出したのは、一部の人間だったのかもしれないが、その人たちが日本を曲がりなりにも経済大国へ引っ張り上げた。

 その経済大国という評価が日本人を腐らせたのかもしれない。評価を築き上げたのが自分たちの世代ではないのにも係らず、更に生まれた時に既にそういう状況だったために、努力せずともその地位は変わらないと考えていた節がある。

 よく言われる2代目が会社をつぶすのと同じ状況である。まさしく世間知らずが代替わりした途端、途方に暮れる状況が今の日本の姿だろう。

 何の世界でもよく言われるのは、先頭に立った後、如何にその先頭を守りきるかそれが難問であるということである。

 先頭に立つと、向かい風が容赦なく体に突き刺さる。その風よけとなるものは何もない。更に後ろから追い抜こうとするライバルの姿に、どの程度のペースを維持するのかも試行錯誤である。

 力があれば、スピードを上げて後続を見えないまでに突き放せばよいが、そうなると今度は、意外なところかライバルが現れたりする。更に、余りにも独走するとルールを決める人たちから横やりが入りペースを強制的に落とされる。

 まさしく、世界の巨大企業と言われた企業が力を失い消えて行った歴史そのものである。

 日本は、国から企業から全てがその瀬戸際に立たされている。その状況で、土俵際から脱落する企業を見て、自分たちの運命を悲観し、立ちすくむだけの状況である。そこに今までの埃のかけらもない。

 これから日本を変えて行くには、国民が自信を持たなければならない。自分たちがこれまでやってきたことが間違っていたとしても、それを回復できる力や設備を既に整えているからである。今からでも充分間に合うことを信じて前を見据えて進むしかない。