医師不足

 曇り、気温もマイナス5度くらい、それでもずいぶん何時もより暖かく感じる。慣れというのは恐ろしい。


引用 北海道新聞http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/352152.html

 道は、2012年度から改築に着手する札幌医科大学(札幌市中央区)の整備構想案をまとめた。工期は13〜20年度の8年間で、総工費は180億円。道内の医師不足に対応するため、医学部定員を国の設置基準上限の1学年125人(現行110人)と想定する。付属病院も増築し、地域医療拠点としての機能を強化する方針だ。

 医師の定員不足は、医師の絶対数が不足しているのではなく、都市部への偏在が問題である。
 多くの医師を卒業させれば、歯科医師のように人が余りすぎるようになる可能性も出てくる。

 医師の増加は、医療費の増大に繋がるという話が有った。病院などでも医師一人増えれば、検査、投薬、入院数が増える。余程のヤブでなければ人も集まってくるので、医療収入は増える。
 しかし、その理論も都市部では通じなくなってきている。今まで掛かっていた病院から別の病院に移動しただけで、総量は同じだからである。
 それは、病院や医院が多い都市部では既にその傾向がある。歯科と同じ現象が都市部では起きつつある。

 この先、日本人の人口が減り続けるのであれば、間違いなく病医院の淘汰が始まる。その未来は、目の先にある。

 今の医学部入学は、エリートが自分の価値を証明するために入学することが多い。医師に不向きであっても、成績上位者が進学を勧められることがある。
 それは、才能の無駄使いとしか言いようが無い。もしかしたら他の分野で才能を開花させ、人類に貢献できた可能性があるからである。

 それなら一層の事、看護師、技師などのコメディカルと呼ばれる職種の人間が医師になる道を作った方が、医学部の定員増より余程良いだろう。

 学生より少なくとも社会や医療を経験しており、自分が医療に向いているのか向いていないのか理解しているだろう。そういった人の中から医師として働ける人材を生み出すのも一つの手だろう。
 
 今、薬剤師の中途編入が認められている。その仕組みを更に拡大し、医療である程度の経験を積んだコメディカルを編入できるように門戸を広げるだけで良いだろう。
 その後は、きちんと医師国家試験を受けさせて最終的に振り分ければ何の問題もない。

 札医大の医学部の定員増もぜひその辺りから取り組んでほしい。本当に医療を知ったうえで医師になりたいと考えてはいる人は、本来の目的を持っているため途中リタイヤは減るだろう。医師に将来成れるか成れないかは、それまでの過程で振り落すようにすれば十分ではないのだろうか?

 良い医師は、患者にとって神様である。しかし、その医師の中でも神様と呼べないような無能な医師も存在する。そういった医師を排除できる仕組みも、色々な分野から医師に成れるような仕組みを作ってこそ出来上がるものだと思う。