人間

 晴れ、気温はマイナス2,3度である。根雪は、昨日より更に低くなっている。太陽の熱と氷のような雪とのせめぎあいが続いている感じである。


 人の命は、非常に脆い。車のようなものに当ってしまえば簡単に壊れてしまうし、病魔に侵されればその異物に耐えることはできないし、体の表面に近い血管を刃物で切ればそれだけで命を終える。

 そんなか弱い生き物である人間が、この地球上を支配しているわけである。それは、だれが許したわけでもなく自分たちが地上を支配しているという思いだけである。

 例えば、同じ地上に住む蟻が認めたわけでもなく、住宅地の空を我が物顔に飛ぶカラスが認めたわけでは無い。海に至っては人間が支配しているとは言えない。

 だけれども人間は、地球上を支配していると考えている。否、いたのかもしれない。

 その慢心と言える人間の心の驕りに対するしっぺ返しが、去年引き起こされた大地震と津波であった。人間があたかも地上の何ものかもコントロールできると考えていたことに対して、そのことがまさに机上の空論だという事を見せつけてくれたわけである。

 人間は、この先謙虚にならなければいけないだろう。地上に暮らす生物種の一つとして生きていることに気付くべきだ。

 それが、今この時間に生きている全ての人間が知るべきことだろう。