テレビと野球

 曇り、晴れ間も多い。気温はちょっとマイナス。


 今、高校野球が行われている。北海道代表の2校が勝ち残り、何かと話題が多い筈が、何故か朝の6時から7時台は、プロ野球、それも日ハムの話題ばかりである。

 まだ、開幕もしておらず、オープン戦という練習試合なのにもかかわらずそればかりだとテレビを見る気も失せる。

 道内民放4社あるのだから、それぞれ特色を出して良い筈である(TVHは特色を出しているので3社が正しい)。

 

 しかし、朝の時間帯はどのチャンネルも、日ハム、スポーツ新聞拾読み+芸能情報、そして天気予報、ニュースというパターンばかりである。

 何故テレビを見るかと言えば、この中のわずかなニュース報道と天気予報を見るためにだけである。更に恐ろしいのは、芸能情報の中にCMの話題が挟み込まれることであるし、更に自局の番宣をするのだから公共の電波を何と心得ているのか判らない。

 朝の時間帯にワイドショー的な作りが本当に必要なのだろうか?と疑問に思うが、あれも現場取材から手を引き、新聞の記事を堂々とテレビの前に出して来たころからだろう。自局の取材費用を削れば、ニュース番組で流す材料が不足するのが当たり前。余った時間をどうするかで、スタジオで訳の分からないコメンテーターを呼んで何かしゃべらせ、芸能情報は、プロダクションとの取引でプロモーション的な時間を作ってお茶を濁すことになった。

 現場に行かせる報道記者を沢山雇うより、スタジオに素人と芸人を並べて置けば経費は掛からないだろう。

 やはり金を掛けなければそれなりに質は落ちる。他局が視聴者受けする番組作りをすれば、それを見習って二番煎じの番組を作っても、相手より上手く作り上げることができれば良い。モノマネと言われようとも平気な人間が番組作りをしているのだから何も変わらないはずである。

 そして、変わらないものにプロ野球がある。子供の世代の野球離れは激しいが、それでもなお高校野球に熱中する若者も多い。そして将来はプロの選手を夢見るのは今も昔も変わらない。

 変わったのは、プロ野球というスポーツが夜テレビをつければどこかの局で放送されていた昔と違い、プロ野球を放送していないことである。

 

 夜の七時台は、ゴールデンタイムと呼ばれ、地方局が勝手に番組を流せない時間帯である。もし、地方局でそれが許されれば、道内だった毎試合どこかの民放局で試合が放送されただろう。そうなれば凄いのだが、その時間帯は、キー局が支配しなければキックバックも無い状況で民放が冒険できるはずもなく。朝や夕方の地方局が番組作りできる時間帯だけに日ハムの話題が流される。

 そして最近は、テレビの番組は特番だらけである。少し視聴率が高い番組は、隔週ごとに特番と銘打って二時間三時間スペシャルをやる。そうすることで視聴率を上げようとするが、それは、自分の身を切り売りしているだけである。余りの情報過多は、賞味期限を早めるだけである。

 プロ野球が毎年六球団で争われることが、人気の秘密であると解説されていた。六球団で争えば、それなりに上位に食い込める年があるし、三位以内に入ればプレーオフという特殊ルールで優勝の可能性も高まる。

 そうなれば、ファンも一生懸命応援したくなるのは当たり前で、このマーケティングはAKBに共通するものもある。

 すんなり上位に顔を出せればよいが、そうならないハラハラドキドキ感は半端ないだろう。そうして、自分の贔屓の選手が活躍すれば応援する方も楽しい。そうして、みんなお金を投資するわけである。

 テレビも、年間の視聴率トップの社が、他局のアナウンサーを引きぬけることができるとか。女子アナの入社試験をドラフト制にするとか、少しバトルの風味を加えれば、少しは番組作りが面白くなるのではないだろうか?