対 岐阜

 晴れ、気温は15度。

 日曜日に行われた試合、CSで見た。

 正直言うと、後半途中で見るのが嫌になり同点ゴールを見逃した。札幌の技術の未熟さにあきれてしまったからである。相手のプレッシャーが弱い中味方にパスが繋がらないのである。それは同時に放送していたU-21日本代表と比べると雲泥の差で本当にも酷いものだった。

 札幌の選手は、周りから技術が優れていると誉めそやされて誤解しているのだと思う。これでもしJ1に上がったとしたら箸にも棒にも掛からないこと間違いなしである。

 今まで、この成績がふがいないものだと思っていたが、実は、実際の実力を表していたのに過ぎなかったのである。贔屓のチームだったためメガネが曇っていたとしか言いようが無い。

 試合は、お互いパスミスが多かったが、相手は今季降格候補とまで言われたがシーズン前に大手スポンサーが現れ、ラモスさんが監督に成り、何かと話題を振りまいたチームである。それなりの補強を行いチームとして纏まってきたが、攻撃はいたってシンプルで殆どが縦一発狙いでワントップを抑えれば得点を入れられることは無く、更にその怖い存在であった外国人選手が欠場したチームだった。その相手に、チャンスを与え続けたのも、札幌のパスミスからだった。

 そして札幌の攻撃も、今までのパスからのポゼッションでは無く、シンプルに相手の裏に出すか、ワントップの都倉選手にボールを当てるというもので、直ぐに相手に対応されチャンスらしいチャンスは殆ど無く、明らかに選手達が監督の意図している所を理解しながら動いているとは思えなかった。

 監督が交代し、前監督の戦術をそのまま引き継ぐわけにもいかず、選手たちが理解しやすいタテポンサッカーを試しているのは理解できる。監督の意図と選手達との共通理解が得やすいからである。しかし、どこかに今までの動きが体に染みついてしまっている状況で、選手全員が同じ意図をもって攻撃しているかと言えばそうでは無い。

 そして皮肉なことに、パウロン選手がレッドで退場したことで、相手が逃げ切れると思いが油断させたのだと思う。それなりに攻撃するが、自陣の守備を意図する余り中盤を札幌の選手にフリーにさせるようになり始めた。しかし、それでも内村選手の同点ゴールは、相手のゴールが河合選手の足に当りボールが変化したように、上手く相手選手が壁に成り川口選手の判断を一歩遅らせたことによる幸運もあった。

 さて、今後の試合も監督は、今回のように裏狙いのワントップへ当てるという攻撃を続けるのであろうか?途中交代のチームを自分のチームにするには時間が掛かる。短期間で結果を出すために、FWの能力を最大限に生かすという戦術をとるのは必然で、ボールポゼッションからの遅効は取らないだろう。何故なら今までその作戦で結果を出していないからである。もし結果を出していたなら今の位置にいないし、監督交代も無かっただろう。その中で同じ作戦は取りずらいものである。

 残り試合数がどんどん減る中で、一類の希望は、6位との勝ち点差が4という事位である。既に4位との勝ち点差は、10と開いてしまった訳で、4位狙いは、本当に勝ち続けなければ捉えきれないだろう。それなりに選手たちに危機感はあるようだ。

 それは、やはり年齢という壁である。一年経てばそれだけ体力が衰える。その中で個人の夢を実現しようとするならこの年に上がるしかないと言える。それがベテランの心境だろう。更に監督が交代し、今後もレギュラーに入れる保証は無く、来年は首を言い渡される可能性も大きい。若手も毎年加入してくる今安穏としていられない状況でもある。

 

 できるならJ1に行ってほしいが、このままJ1に上がっても直ぐに落ちてくることは明らかで、更に悪いことに今までの札幌は、J1経験が若手の成長につながって行かないという事である。J1に落ちてまたすぐに這い上がれるほどには運営も合わせたチームとしての実力が無いという事だろう。

 そういう風に見ていると札幌というチームが本当に生まれ変わらなければ、自分が生きている間にJ1の舞台に辿りつけないかもしれないという恐れが出てきた。

 しかし、そういったチームを生暖かく見守るのも良いものかもしれない。