時間

 晴れ、夜中に積もった雪が5cm位に成っていた。気温はマイナス1度。


 年を取るにつけ徐々に興味の対象が移り変わるのは当たり前の事である。以前好きだったことも突然興味の対象から外れる。それが良いとか悪いとかでは無く、自然の流れなのだろう。

 そうなるとそれまでの人間関係も徐々に変わり始め誰とでも付き合うというようなこともなくなり、徐々に人付き合いも絞られてくる。

 国と国との関係も同じことだろう。例えばお隣の韓国も国力を付け国として世界に認められるようになればそれなりに付き合う国も変わる。丁度日本が鎖国を止め世界の舞台に登場した時、欧米の諸国は未開の土地の人間と思っただろう。

 ちょんまげと着物という欧米人からすれば奇妙な組み合わせであり、食生活も違えば相手からしたら未開の土地の先住民と変わりない。

 その後、日本が戦争に負け、その後の復興で世界の工場と呼ばれる時期まで欧米諸国よりは一段下のレベルの国と見下されてきた。それを見返してやろうという気持ちが国民にはあったと思う。

 この時に来て漸く欧米も日本という国を認め始めたのかもしれず、先進国の仲間入りを果たしたのかもしれない。それ程、時間が必要だった。

 例えば、今の韓国も同じような道を歩き始めたのだと思う。日本を始めとした援助を受け取らなくても国として独り立ちできるようになれば、世界の国から見下される必要は無い。それは日本に対しても同じだと思う。

 そのためには、日本に支配された歴史は無かったことにしたいし、日本からの援助を受けて国が発展したのではなく、自分たちの力でここまで成長したと思いたいのだろう。

 過去を美化し、今までの苦しかった歴史を書き換えることが自国民の独立心を向上させるのなら国として行動することを選ぶのは当然である。虐げられた歴史はもう既に無い。

 更に、ここに来て現れたのが過去の歴史を現代に再現しようとする勢力である。アフリカのボコハラムや中東のダーイッシュなどは、何千年前の歴史を現代に蘇らせるために行動している。それは自分たちの王国を作るということである。

 そこには、今までの文明や歴史を書き換えることで自分たちのアイデンテティを形成しようとしている。それは、自国民を自分たちの思いのままに操るための道具として使っているに過ぎない。

 形あるものは何時か無くなる。そして今まで築き上げてきたと思っていたことも一瞬にしてなぎ倒される。それ程理不尽なことは無い。この先の世界にあるのはもしかしたら王国なのかもしれない。