引き際

 曇り、気温は6度。10度を超えないと暖かくは感じない。

引用 北海道新聞http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0125287-s.html

体調不良で入院中の町村信孝衆院議長(70)=道5区=は20日、国会内で川端達夫副議長に議長辞任願を提出した。町村氏はその後、記者会見し、軽い脳梗塞を発症したことを明らかにし「議長の責務の重さを考えた時、いささかなりとも悪影響が出ることは避けなければならない」と述べた。21日の衆院本会議で辞任が許可され、新議長に自民党前副総裁の大島理森(ただもり)衆院予算委員長(68)が選出される見通し。

 北海道選出の国会議員で衆議院議長であった町村氏が議長を辞任した。普通なら議員辞職も考えなければならない姿をニュースで晒していたが、よくあの状態で会見したなと思う。きっと自分が大丈夫だという姿を有権者に見せたかったのだろう。

 前回の衆議院議員選挙、脳梗塞で倒れた選挙戦で夫人が選挙区を身代わりで回り支持を訴えていたが、きっとこれが最後の選挙だという思いで回っていたのだと感じていた。

 脳梗塞という病気は、脳の組織にダメージを及ぼし、その痛めた脳組織は回復することは無い。ただし、治療によりダメージの範囲を狭めることができ、それが奏功してまた表舞台に復帰できたはずである。

 今回また発症したという事は、根本的な部分で再度脳梗塞を引き起こす原因を取り除けなかったという事に成る。自分の残りの人生を短くしてでもすがりつきたかった椅子の重さ思う。

 人生に於いてやはりその跡を引き継ぎ、去り際の潔さを見せるのが日本人の美徳と言われた時期もあった。しかし、最近の年よりは潔さを失ってしまっているように思う。

 自分の存在を証明するために、他の人を道連れにするその姿を見て生きる下の世代は、あのようには成るまいと考えざる負えない。最近でいえば大塚家具の創業者もそうであるし、何回も社長に復帰する創業者をたまに目にするが、それが決して組織を強くすることにはつながらず、周りにイエスマンばかりはびこらせ結局リーダーシップを発揮できる人材は、去って行くことに成ることを知らない。

 今回、町村さんのニュースを見るに、どうしてあの時立候補を思い止まらなかったという思いである。老いて老醜をさらすことなく、若手に後を託す姿を見せて欲しかったと思う。それを言う人は周りにはだれも居なかったということなのだろう。

 人は、どういった時に後輩に道を譲らなければならないのか、偉くなった人たちは、考えておくべきであろう。