外国人労働者

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引用 ロイター (http://jp.reuters.com/article/2015/07/28/special-report-subaru-idJPKCN0Q21H220150728

しかし、スバル車ブームの陰には、同社が喧伝していない別の事実がある。売れ行きが急増している同社の生産が、ひとつにはアジアやアフリカからの難民申請者や安い外国人労働者の存在によって支えられているという点だ。

 このロイターの取材記事を、ニューヨークタイムス、朝日新聞が配信している。

 

 いうなればスバルパッシングと思われる記事であるが、この記事が表しているのは日本における外国人労働者の実体を明らかにすべきなのだろう。

 その中にあるのは、外国人労働者を低賃金で日本企業に紹介する斡旋業者の存在である。この記事の中にもある部分を引用すると

工場の作業員を確保するため、難民申請者やビザ(査証)切れ不法滞在者、アジアからの技能実習生といった「裏口ルート」の移民労働者に頼らざるを得ない。「灰色」の労働市場が存在するおかげで、建設業、農業、製造業などは数多くの外国人労働者を安い賃金で雇うことが可能になっている。

このロイターの記事は、正しい主張である。スバルの言い分も間違っていない。スバルの契約はあくまでも派遣会社とのもので、労働者個々と契約を結ぶわけでは無い。もし、スバルの契約が悪だとするなら、派遣業そのものが成り立たない。

 企業として、生産台数が不安定な状況で正社員を雇う訳にはいかないという理由があり、そういった短期の人材を集めるために派遣会社と契約する。その派遣会社の選定時に、最低賃金で雇えるならそれに越したことは無い。それが自由経済だからである。

 本来なら、その派遣会社と契約する社員がその待遇改善を要求するのは派遣会社でありスバルでは無い。そんなことは当たり前のことで、もしそのことで合意が得られなければ他の派遣会社に登録を変えるしかない。

 しかし、何らかの理由で他の派遣会社と契約できないためこういった労働条件で働かざる負えないということである。その雇用形態は、何も日本だけの問題では無く、アメリカ、EUどこででもあることで、今回上げられたスバルだけの問題では無い。

 この記事の意図は、景気好調なスバルが、派遣会社から来ている社員の待遇を変えさえるために企業イメージをダウンさせる記事を書いて、圧力を掛けているとしか思えない。

 こういった世界のいたる所で日常茶飯事的に行われている事象をあたかも日本だけで行われているような記事の書き方はペンの暴力だと思う。圧力を掛けるべきは、スバルでは無く、そういった待遇で雇う派遣会社の方だろう。

 ペンは時には正義の味方に成り、悪にもなる。この記事を書いている会社を含めた社会がそういった矛盾を抱えてできていることを前提に記事にしなければいけないだろう。

 解決すべき事柄は、ここだけの問題では無く世界の問題で、この記事は、世界の矛盾を矮小化することで問題の本質をぼかそうとしているとしか感じ取れない。