5年

 晴れ、気温はマイナス8度。

 あれから5年時間が過ぎた。あの日のあの時間経験したことは今でも忘れない。自分は北海道にいたのだけれどもあの地鳴りを上げてこちらに向かってくるような衝撃は相当だった。

 そこからテレビは緊急放送に変わり東北の地震の様子を伝えそれから数十分後に起きた津波の様子までヘリで伝えていた。その映像の中で津波にさらわれる車の映像は記憶に残っている。あの映像に映る場所以外にどれだけ多くの場所で人命が失われたかと思うと残念である。

 更に、それに引き続き福島の原子力発電所津波に襲われ、津波の被害から原発事故へと話題の中心が移りそしてのあの爆発である。連日、爆発は起きないと報道して起きた爆発だから日本は終わったと思った人が大勢いるのではないだろうか。

 実は、自分もその一人である。核爆発のような事は起きなかったが、この先にある日本の未来は、決して明るくなく復興へ向けて努力したとしても日本経済に与える影響を考えると背筋が凍った。

 あの日から5年、本来あるべき未来が変えられた日本が今ある。もし、大地震が無かったらどれだけの人が日本を支えてくれただろう。もし、何も起きなかったら日本は今頃どうなっていただろう。自分の未来もどう変わっていただろうと思う。

 被災された人たちが味わう苦労よりも遥かに影響は少ない筈なのに、自分が蒙った影響を考えると心が痛む。決してあの時には戻れない。もし戻ることができるなら東北の人、福島原発の担当者に後数時間したら大地震が起き津波の被害にあうから非難しなさいと伝えたいのだが、そんなことができるはずもない。

 結局、なんの力もなく復興にも決して力に成ることはできなかったし、それを運命と諦めて、それでも負けない未来を作ることもできなかった。ハッキリ言ってしまえば自分は負け犬のような心境である。

 運命を受け入れることは簡単である。それに抗う事は非情に難しい。それを跳ね除ける気力をこの5年間の間に使い果たしてしまったのかもしれない。

 次の5年にどのような未来を生きているのだろうか。