IS

 晴れ時々雪、気温はマイナス2度。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20160324/ddm/001/030/189000c

トルコの英字紙ヒュリエト・デーリー・ニューズなどによると、トルコ軍警察は22日夕、ISに参加するためトルコからシリアに渡ろうとしたとして日本人男性(24)を拘束した。在トルコ日本大使館は確認中としている。事実であれば、ISに参加しようとした日本人が海外で拘束された初のケースとなる。

 世の中の大半は、「馬鹿な奴」の一言で片づけてしまう事だろう。そして、若い子供を持つ親は、自分の子供はそんなことをするはずはないと高を括っているだろう。

 しかし、こういった行動を取る若者がいるという現実を直視する必要があるだろう。いくら裕福な家庭に生まれ育ったとしても心情的にISにシンパシーを感じる若者は一定数存在すると思う。若者に限らず今の社会に不満を持ち劇的な力によって社会をリセットし、自分が敗残者という思いを持たずにいたいと思う大人も少なからず存在するはずである。

 そういった人間がISにどんどん加入し、そういった組織に忠誠を誓うようになる危険性は何時でも存在する。社会というのは、そういった人間を一定量生み出す構造になっている。その一定数が限度を超えると社会に何らかの影響を与えるようになる。

 その仕組みがどの国にも存在し、社会環境の悪化によっては、その数が増加し何らかの危機的状況が起こり、更にその数が増え続ければ戦争を引き起こすことになる。

 今回の件は、加わろうとする組織がISという明らかに西洋的社会を否定する組織であるため判りやすいが、これが何らかの隠れ蓑を纏った組織だと、将来的にどういった行動を起こすか不明なため、対応が後手に回りやすい。

 例えば、今回の24歳の男性が加わる組織が、傭兵組織だったらどうだっただろう。それが裏でISとつながっている場合、拘束されたとしても本当の意味は分からなかっただろう。一部の戦争マニアと思われて終わりだったかもしれない。

 以前、ISで人質となり処刑されてしまった日本人もそういった軍事会社を作り戦闘に参加しようとしていたはずである。

 この件は、あくまでも氷山の一角と言って良いだろう。日本の社会構造に不満を持つ人間が同じような行動を取り密かにISに加入して訓練を受けている可能性も存在する。日本から直接では無く他国経由で渡航している可能性はあるだろう。

 全ての国民が満足すべき社会を作り上げることは不可能に近い。そして一定数の不満分子が育つだろう。その不満分子の活動をどのように補足し、それが日本社会への影響を及ぼすことを抑えるか、思想信条の自由、人権の尊重という民主主義国家でどこまで抑制できるかが、日本国内でのテロ活動を防止する命題でもある。