情報漏えい

 晴れ、気温13度。今日は久しぶりに夏日になるようだ。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ14HKY_U6A610C1000000/

 

JTBは14日、インターネット販売を手掛けるグループ会社のi.JTB(アイドットジェイティービー)のサーバーに外部からの不正アクセスがあり、顧客の個人情報が一部流出した可能性があると発表した。同社では現時点では流出の事実を確認していないが、最大で793万人分の個人情報が含まれている可能性があるという。流出した可能性のある情報には旅行商品をオンライン予約した客の氏名、住所や電話番号、パスポート番号などが含まれる。

 FACEBOOKの創設者マーク・ザッカーバーグは、積極的に個人情報を公開する未来を考えた。インターネット上で情報を流通させるということは、匿名性を失う世の中になると考えそれを逆手にとって個人情報を積極的に公開しようと考えた。

 その考える世界が、別な方向からやってきている。それは、個人情報を秘匿しながらそれを基にした情報流通をシステムを運営しているところからの大量の情報漏えいである。

 今後、インターネット上を流れる個人情報はいつかはオープンになるという理論の証明である。どうせ情報が洩れるならすべて公開する方が良いとする世界に向かうなら、あるいは選択肢が0か1しかないという社会が来るというならどちらを選択するかということである。

 全ての個人情報が公開されるとやはりそれを基にしたプライバシーの喪失と不正な利用ということになるだろう。プライバシーの喪失は、犯罪抑止にはなるだろうが改竄、成りすましといった危険性が伴い、生体認証でさえ個人を特定するには困難になる時代が来るだろう。例えば遺伝子情報を個人認証にしようとしたところでデータベースを操作できればそれを突破できる。個人情報が手に入るようになれば犯罪を犯そうという人間にとってこれほどやりやすい社会は無い。

 プライバシーが無い社会というのは、すべての情報を公開する原則を逸脱してはならない社会を作ることである。意図的に偽の個人情報を配布することは禁じられる社会であり、それは大統領であっても、情報機関の人間であっても免れることができない社会であるという原則が必要である。

 善意の者が周りに悪が居ないという簡単な理論で個人情報を公開しても、それを利用する者に悪意があればこのシステムは成り立たない。善は悪に必ず利用される。更に善側は悪意側に自分の手の内を晒している状態である。最初からハンデを相手に与えているようなものである。



 今回のように次々とインターネットを善意のあるものが利用していると信じて使用するものは必ず裏切られる。インターネットの世界は、悪意のあるものが常に獲物が現れるのを待ち受けている世界であると考える必要がある。

 今の企業経営者は、そういった悪意のある存在があることを知らないのか知っていても気にしないのか分からないが、無頓着であるのは間違いない。今回の件も、流出することを前提に対策を立てておく必要があっただろう。

 簡単に手軽にできることは、その安全を担保するのに多大な費用が必要だということである。今後、ますます費用が嵩み利便性とコストを考えると割の合わないことになる。