テニス八百長摘発

 雪、気温はマイナス7度.夜中から雪が降りだし午前中はこのままやまないで積もりそうだ.交通機関に影響を及ぼしそうだ.特に新千歳は、連休前の移動客が多そうなのでまた遅延が起きれば相当批難されそうである.
 自然災害なので致し方ないのであきらめるしかないが、そうと知っていてもやはり中には聞き入れない人間は大勢いると思われるので、それに対応する人たちは大変である.

 
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 テニスは個人競技であり、突然試合の流れが突然変わることがある.体調不良であるとか、相手の作戦変更に対応できない等でとんでもない逆転劇を見せられることがある.また、次のトーナメントに向けて調整しているような場合、あからさまに試合を放棄するような戦いをするときもあるので、毎回選手たちが本気で試合をしているわけではないのは、見ている人たちも知っているのではないだろうか.

 そういった競技だからこそ八百長が入り込みやすい.団体競技なら大人数を買収しなければならないので八百長を仕掛ける側もそれなりにリスキーである.しかし、個人競技の場合相手は一人なので、それだけ公になるリスクが少ないのでそういったブローカーが入り込む隙ができやすい.

 そして狙いはやはり、大きな大会ではなく小さな大会が狙われる.ちょうど日本の大相撲が平幕当たりの取り組みで星の貸し借りを行っていたのと同じである.下部大会に出場している選手たちは、ポイントによって大会に出る出れないが決まる.そのため世界を転戦するのだが、その間にやはり同じレベルなら対戦する選手は同じ顔ぶれになってくる.更に知り合いの知り合いを辿ればテニス選手は全て何らかの関係があるから世間は狭い.また、スポンサーが大きくなければ遠征費用もままならず金のために八百長を引き受ける選手は当然でてくる.
 今回は、その八百長に加担していた選手が少なくとも83人(プロ選手はうち28人)いた.今回摘発された選手は氷山の一角であり、この下に10倍程度の八百長に加担した選手がいると考えられる.もし10倍だとしたら230人、2017年時点で世界のプロテニスプレーヤーが男女合わせて14,000人程度いるとされているから2%程度になる.
 ITFは、プロ選手の数を男女それぞれ750人程度に減らすと2017年に決めているため、2019年の現在プロ選手は大幅に減ることになる.上記のニュースでプロ選手のくくりが大幅に減った場合だと、もし氷山が230人だとしたら結構な割合になるがその点はニュースからは判らない.

 サッカーでもイタリアなどで八百長が摘発されチームが罰則で下部リーグに移行されたりしているが、Jリーグはどうなのだろうと調べたら、八百長を疑わせる試合が無いか監視するシステムが稼働していた.
 日本サッカー協会のHPに記載されているのだが、
(引用)
日本サッカー協会JFA)は、日本のサッカー界のインテグリティ(尊厳)を守るため、この度2015年のEWS社との契約を更新しました。EWS社との契約は2011年から毎年更新しています。EWS社はサッカーの試合を対象としたスポーツ賭博市場での賭け率の異常変動を監視し、情報を分析しています。EWSが八百長が疑われる試合を検知した場合は、速やかにJFAに報告されます。JFAFIFA国際サッカー連盟)と同様、サッカー界での八百長撲滅を目標としており、EWS社は日本での八百長の防止、リスクマネジメント、情報収集の面で重要な役割を担っています。
(引用終わり)

 世界の国では、賭け事が公認され、公認のブックメーカーが仕切っている.そのブックメーカーの掛け率の変動を監視し、八百長が起きていないかいているわけである.今回のテニスも異常な掛け率の変動から分かったようだ.
 これはあくまでも公認の賭け事の場での八百長で、アンダーグラウンドな表に出ない世界での八百長は見抜けない.しかし、大金が動くのはやはり公の場なのでそこを利用したほうが利益が大きいため、アンダーグラウンドの人たちもそこに顔を出してしまうのだろう.

 統計的データを使えばそういった変化を見逃すことなく簡単に事件を見つけられるようになってきている.大規模な八百長は減るだろう.しかし、選手間、チーム間で掛け金が絡まない八百長は今後も存在し続けるのは防ぎようがないところである.