腎移植問題

 晴れ、気温は18度.上を見上げると空が高い.青空を刷毛で掃いたような巻雲が浮かんでいる.本当に秋空である.

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 日本には、透析患者が33万人ほど居る.その何割かは腎移植を希望しているが、全てを賄う臓器は日本には無い.

 透析治療は普通週3回4時間程度の血液浄化を日中行っている.人が活動すべき日中にベットにいなければならない.以前、透析療法を拒否した患者が亡くなったが、死ぬまでその治療を行わなければならないと考えると気の遠くなるような行為である.

 透析患者が透析をしなくてよくなるには、腎移植という方法しかない.その腎移植も先に書いたように臓器の数が足りなくて上手く機能しているとは言いがたい.

 だから以前日本では、病気腎移植という行為が問題となったことがあった.病気で取り出した腎臓までも使用しないと日本では透析患者を救うことができないという現実がある.

 

 今回のパキスタンの腎移植の件、臓器売買の本拠地は政情不安あるいは貧困層が多い国に移動していくのだなと思った.

 古くは、中国、フィリピン、東南アジア諸国での移植が話題になったが、それらの国が発展し容易に臓器が手に入らないようになれば徐々に場所を移すのは当然である.需要と供給の関係は臓器にも適用される.まさしく経済原理で物事は回っていく.

 

 ちなみに海外で腎移植を受ける場合、最低で1500万円ほどかかる.その後のフォローアップの費用は含まれていないのでそれ以外の費用を考える必要がある.

また、透析治療には年間400万円から600万円ほどの費用が掛かるが、更生医療の適用を受け本人負担はほぼない.

 

 それなら今はやりのiPS細胞を用いて人間の腎臓を作り出せないかと考えるが、実際その取り組みは始まっている.

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 人間と近い豚を使い腎臓を作り出そうという試みである.豚の臓器は人間と近く、腎臓以外にも膵臓や肝臓、心臓などの臓器が豚から人間に移植できないかと研究は続けられてきた.

 近い将来、こういった技術によって腎移植を求める人の声にこたえることが出来ればと思う.