耐震偽装問題

耐震偽装問題が決着したと新聞各紙が報道しているが、素直な感想は、何も解決していないというところだろう。

 そもそもこの問題は、

 1.一級建築士が、構造計算書を偽造した。
 2.設計会社は、その偽造された構造計算書を社内で検査しなかった。
 3.構造計算の偽造を、建築会社が指示した?
 4.検査機関が、偽造を見つけられなかった。
 5.売主が、偽造を知りながら客に販売した。
 6.経営指導の名の下、材料費を安く上げるよう建築会社に指導した会社の責任。

 の各点が問題であったはずである。

 それに対して、検察の立件は、1.について名義貸し、2.についてはなし、3.二ついては、粉飾決済。4.については、資本金の架空増資。5.、6.については取り敢えずなし。

 いわゆる別件逮捕による拘留で、自白による証拠により芋づる式に他の件も立証しようということらしい。

 以上の件、結局は、大きな罪は問えないように思われる。また今回の偽装で問題となる、建築確認の検査機関の問題は、イーホームズのほかに、市役所などの公的機関が関与していたはずだがその辺りのある意味杜撰な審査方法にかんする罰はどのようにするつもりなのだろうか?ある意味、イーホームズは、スケープゴートになってしまったというのが素直な感想である。

 あと、ヒューザー、総研は、何らかの方法で罪に問われることになるだろうが、会社が倒産してしまった今では、なんら影響は低いだろう。

 今後、被害者が、救済を求めるとしたら、公的機関の審査に問題があったということを証明し、賠償を求めるしかないのかもしれない。
 ただし、その件も、事件発覚後直ぐに、仕事量の多さと人員の不足という理由を公的機関は、述べている。その辺りの、審査を行う上で制度上問題があったとしたら、その法を整備した国の責任もあると思うが、あらかじめだますつもりで作られた計算書を見抜くことが出来たかどうかが争点になるのだろうか。