ブラフ

 空は、雲ひとつ無い快晴である。その変わり外の気温は低い。朝5時頃の気温が零度だった。

 日中は、相当気温が上がるらしい。この時期寒暖の差は本当に激しい。それで体調を崩す人も増えることが多い。日本は、外気温の変化に体がなれた頃にまた気温が変化する気候である。そのため一年中何らかの理由で体調は崩しやすい地域かもしれない。

 良くカードゲーム等で、自分の手持ちを相手に悟られないようにするため、色々な演技をすることがある。

 実は、今の世界の経済も同じ状況である。平場には、不景気というカードが数多く投げ出されているが、ちらほら景気回復のカードも同様に何枚か表にされている状態である。

 ゲームに参加しているプレイヤーも皆全て暗い表情をしている。それでもその中で、何人かは業績好調で笑顔でプレイしている者もいる。

 しかし、暗い表情も明るい表情も、本当にその実体を明らかにしているか誰もが疑心暗鬼になっているのである。

 今、経済に関しての情報が錯綜している。その代表が中国である。北京オリンピックの頃から中国は破綻するといわれながら、未だ破綻していないことが更に疑心暗鬼をつのらせる。

 あるものは、回復傾向にあるといい、あるものはこの先の危険を言う。素人には、どちらを信じてよいのか判らない状況である。

 これがアメリカにも言えるし、EUにもいえる。その中で日本は、それらの国の上がりで商売しているため、一番わかりやすい国なのだろう。どこがこけても被害は甚大だからである。

 世界の果ての島国のことなど、世界は気にしていない。一番心配なのは、自分の国だからである。アメリカも既に日本は、徐々にフェードアウトする国であると認識しているようだ。そのため中国と如何にパワーバランスをとるかに普請している。

 アメリカが、深く北朝鮮に関わりたくないと思っているのと同様、中国も北朝鮮に革命が起き、その余波が中国全土に広がる事を恐れている。できる事なら今の体制でいてくれることを望んでいるのだろう。

 そうなれば、米中にとって日本は、余計な時に騒ぎ立てる飼い犬ぐらいにしか見ていない節がある。日本が幾ら日本人の拉致問題を声高に叫んだとしても、それは米中にとって余り関わりたくない事である。

 

 では、日本はこの経済状況の中、生き残るために取る手段はどこにあるのだろうか?正直に言えば日本にブラフを行えるような偉人もいないしそういう状況ではない。場の札の行方を見ながら、貧乏くじが自分の所に来ない事を祈るのみである。