ワタミ

 晴れ、気温はマイナス11度。冷え込みがきつい。

 

引用 中日新聞http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015120902000079.html) 

ワタミグループの居酒屋「和民」で働いていた森美菜さん=当時(26)=を過労自殺で亡くした遺族が、ワタミや創業者の渡辺美樹参院議員(自民)らに一億五千万円の損害賠償を求めた訴訟は八日、東京地裁で和解が成立した。「長時間労働を強いられ、心理的、身体的負荷を受けた結果で業務が原因」として、ワタミや渡辺氏らが計一億三千万円の賠償金を支払い、法的責任を認めて謝罪する内容。原告側代理人弁護士らが同日会見し、明らかにした。

 こういった賠償請求できる裁判を起こせたのは被害者にとって幸運だった。そういうのも、まだ、ワタミと言う会社が存続していたからである。こんな企業は、氷山の一角である。多くのブラックと呼ばれる企業が何時の間に消え、また復活する。そしてその被害者の多くは、世間に問題を発信することをしない場合も多い。いわゆる泣き寝入りである。


 過去、渡辺美樹さんは、参議院議員に成る前に民放の朝の番組にコメンテーターとして出演していた。その時に感じたのは、やはり一代で会社を築上げた創業者であるための一種のカリスマと呼ばれる人間であるということである。

 カリスマというのは、他を寄せ付けない人の事である。ある種の目的意識が強く、それに心酔した人間がその周りに集まり仲間を増やしていくタイプである。その集団の中で脱落者が出たとしてもそれはその脱落した人間に能力が無いだけで、カリスマの指導する内容については問題が無いと周囲が思い、決してカリスマを非難しないことである。

 その集団がある一定規模以上になると、カリスマに近づける人間はそもそも少ないため遠くからあがめるしか無くなり、カリスマの求心力が低下する。そしてその勢いを失わないように集団は一種の宗教グループ化していくわけである。

 社長=カリスマ=教祖という関係式が出来上がるわけである。

 この時、カリスマ周囲の部下が有能であれば、こうしてできた教団のような形を利用して強固な組織を作り上げていくことが可能だが、それができない場合も多く発生する、良くあるのがカリスマが有能な部下を遠ざけ無能な部下を周りに集め出すようになることである。

 カリスマが発した言葉が絶対となり、それに逆らう人間あるいは能力が不足している人間に罰を与えようとする。その罰は、時折限度を超えるようになる。

 渡辺氏の発言する内容は、明らかに自分の成功体験を誰もに当てはめようとすることである。それができる人間は少数なのに誰もがそれをできることだと断言してしまう。

 

 かれが、社長を退いたことはワタミと言う会社にとって幸せだった。今後、この裁判を機に彼の影響力をどれだけ排除できるかが会社の将来のカギになるだろう。