大気汚染が北海道に来る

 曇り、気温は2度。昨日の夕方から気温が上昇し日中よりも暖かくなってしまった。これも太平洋にある高気圧が暖かい風を北海道にもたらしたせいである。

 その影響で、北京の汚染された空気が北海道上空に流れ込み今日一日は、その汚染された空気の影響下にある。例えはアレだが、たばこの副流煙を強制的に吸わされる感じと言って良い。

 煙草を吸わない人間にとって煙草の煙は排気ガスと同じで、その煙から逃げられればまだしも逃げられない立場の人間にとっては嫌悪感しかうまれない。

 しかし、この高気圧も日中にはその影響を弱め、次に来る低気圧が北海道の西に近付くまでは南寄りの風になるため、北海道上空に移動すればPM2.5の影響は受けなくなる。

 ただし、その影響で雲は出来やすく雨に成ればそのPM2.5の原因物質が雨滴の核となって地面に届くだろう。余り綺麗な環境とは言えない状況である。

 なぜこの時期、北京でPM2.5の被害が大きいのかというと、冬場に市民が使う石炭ストーブの影響だという。北京の中心街などは近代化されそういった暖房を行っていないように思われるが、昔の東京のように近代的な市街地の周辺に昔ながらの建物が密集しているように北京も同じなのような状態である。

 多くの市民が一斉に品質の悪い石炭を燃やせば、煙突からは不完全燃焼した煙がもくもくと吐き出されるわけである。数年前北海道でも収穫後の田んぼの稲わらを燃やすことが多く、それだけで広い地域が白い煙で覆われることがあった。丁度そのような状態が今の北京の空と言う事である。

 また、排気ガスを浄化していない工場が年中操業しているわけでその煙の影響も半分程度はある。ただでさえ汚染されている大気が更に寒くなると輪を掛けて汚くなるという事である。


 というわけで、遥か昔の世界の工場と呼ばれた時代に日本でも光化学スモッグが発生したように、日本も盛大に汚染された空気をまき散らしていた。しかし、その煙も太平洋に流れるだけで他の国に影響を与えることは少なかった。しかし、今回のように風上の国で発生されると風下にいる国は迷惑な事に成る。

 果たしてこの状況が何時まで続くのだろうか?日本でも公害訴訟などで住民が反対運動を続けたおかげでこんなに日本の空は綺麗になった。同じことが中国でも実現することを祈るしかない。