5月も終わり

北海道は、何時も今頃冷たい風が上空に吹き込むためか、肌寒い日が続く。本州側が30度を越すような暑さでも、北海道は日中でも20度を越えない日が続く。

 運動会のシーズンでもあるが、中々運動会当日、晴天になる日が少ないのが生徒たちに可哀想でもある。

 5月の最後の日曜に、全日空のシステムがダウンした。サーバーの入れ替えが原因だったようだ。このような事故はシステムを入れ替えたときに起きやすい。それを未然に防ぐのがテストなのだが、環境が少しでも違えばコンピューターは言うことを聞いてくれない。
 完璧を求め曖昧さを排除するのがコンピューターである。世界にあるコンピューターシステムはどこも同じだと思う。完璧さを求めることは人間にとって大変な作業である。人間はそもそも完璧に出来てはいない。
 人間の心臓のリズムが少し狂ったとしても心臓は動きを止めることは無い。その曖昧さが人間の本質である。
 わずか数行のプログラムでさえ人間にとって100%はありえないのである。それが数え切れない行数のプログラムの点検など不可能に近い。

 また、複数のプログラムが同時に動き、複数のネットワークが稼動する環境など、どのように点検を行えばよいのか途方にくれるだろう。

 それ程、複雑なシステムを、人間の手でエイヤーと一気呵成に切り替えるのは、大変なことなのである。しかし、それを利用する人たちにはそれが見えない。システムは簡単に切り替えられると思っている。表面上は簡単そうに見えるシステムが、その理解を遠ざけているのである。

 システムは、100%正しく動くのが当たり前。新しいシステムにせず古いシステムのまま使えば良いのにと思うだろうが、古いシステムはどんどん淘汰されているのだ、そのためやむ終えず新しいシステムにしなければならない。
 
 今回の出来事は、結果論だが、古いシステムをバックアップとして動かしながら新しいシステムに移行すべきだったかもしれない。それも後の祭りであるが、絶対がありえないことをシステム技術者の身にしみた事故であっただろう。

 この事故は、システムを管理するものにとっても良い教訓であるし、この事故原因を明らかにし、対策をどのようにするべきか報告していただければうれしい。