孤独が悪いわけではない

母親殺しの少年は、学校では孤独だったらしい。しかし、孤独だからといってそれがおかしい訳ではない。
 自分も少しその傾向があったかもしれないが、孤独を愛していたことがあった。しかし、その孤独の中にも誰かと話したい、愛されたいという時があった。そして、群れている人間たちが疎ましく思えたり、或いはその仲間に入りたいといった揺れ動く思いがあった。

 確かに、テレビや雑誌の中には、友情、親友、仲間と言う言葉が溢れ、中学生、高校生の頃にはその言葉に憧れを抱いていたかもしれない。それが当たり前にあると信じていたのかもしれない。
 
 孤独な少年の心は、自分の心と違うはずで、それぞれに色々な思いがあるはずで、ステレオタイプ的に画一化された答えがあるわけでもない。友情に傷つき、人間不信になる場合も有るだろうし、受験と言う競争が友達を作りにくくする場合も有るだろう。

 大人たちは、もっと人間は孤独なのだと教えなければならないのでは無いだろうか。それも生きていくためには必要だと言うことを。