寒空

4月に入ってから、寒い日が続いている。今日も曇り空の下冷たい風が吹く。

 昨日のドームの試合から家までの道のりは遠く感じた。日曜の柏戦ではあれだけチームが一体となっていたのに、何人かの選手が入れ替わっただけであれだけ厳しい試合になろうとは夢にも思わないできになってしまった。

 決定機に外すのは、J2時代からのお約束だから仕方が無い。J2でのビッグチャンスの決定率が2、3割でも首位になることはできるだろう。しかし相手のJ1のチームの決定率が5,6割だとしたらそれに勝つのは厳しくなる。

 札幌にも決してチャンスが無かったわけではない。少なくとも何回か決定機を迎えたしかし柏戦ではそれが入り、川崎戦では入らなかったというだけである。
 そして相手がその決定機を外さなかったということが全てである。その差が、FWなのかDFの質の差かは歴然としている。
 少なくとも今の札幌の若手選手にはその差を越えて欲しいのである。それができなければやがてはレンタルされJ2、JFLとなりそしてサッカーを辞めなければならなくなる。

 そういう風にして、まだ20代の若手がどれ程チームを離れて行っただろう。それでも中には日本代表になるような逸材もチームを離れていった。それは本当に他チームの選手になった今でも応援したくなる。

 人生にはやり直しが可能である。もしかしたら別な職業で違う人生を歩むことが幸せだったりすることもある。サッカーだけが人生ではないし、それも自分が決めることだし、更にいえばプロサッカー選手のままで居たくともそれが可能でない場合もある。
 しかし、今のプロサッカー選手の地位は、多くのサッカー少年の中から選ばれた貴重な地位であることは間違いない。
 プロサッカー選手になれなかった子供たちの憧れの地位であることを常に思っていて欲しいのである。

 一生懸命努力を続け、試合に出られない選手がいる。それは、才能であったりチームの戦術で有ったりするわけである。それは、努力をしただけでは叶えられない種類のものである。しかし、努力が無駄でないことを知って欲しい。その努力の積み重ねが幸せをつかめるチャンスに多く巡り合うことを。

 サッカー選手だけではなく、多くの若者たちが努力することを決して忘れないで欲しい。その大切さを胸に常に進んで欲しいと切に思う。そしてそれを見守る大人たちが努力した若者の将来をなくすようなことをせず見守って欲しい。