さぎ

朝日が空にかかった薄いベールのような雲を通して差し込んでくる。既に景色は夏になっている。毎日見る景色は少しずつ変化しているため気付きにくいが、道路に雑草も生えていなかった4月からすればすっかり空き地は雑草に覆われている。月日がたつのは本当に早いものである。人生もそうなのだろう。


 今日は嫌な夢で目が覚めてしまった。それが一日の始まりだとしたら本当にうんざりである。
 
 精神的に疲れが出ると途端気分にむらが出てくる。その感情の起伏の激しさと言うのは他人を見ていると良くわかるし自分でも良くわかる。
 それを他人に見せないと言うのはそれなりにストレスを感じているわけである。色々な人がいて色々な個性がある。それを否定しないが、余りにもハリネズミのようにとげを突き立てて向かってくるとこちらも交わしきれずその針で傷つくことにもなる。

 その針の痛みを受け入れる肝要な精神を持ち合わせていれば良いのだが、中々そうとはいかない。或いは自分がそれを相手に与えてしまっている場合がある。それを気付きながら見ぬ振りをする場合もあるわけである。

 世の中の全ての人に幸せを分け与える人が居たとすれば神様である。それを公言する人は詐欺師である。
 
 詐欺師と言えば、今回逮捕された「エビ養殖」詐欺事件。これなど選ばれた人全てがお金と言う利益を得られると公言していたわけである。少なくともそれを信じた人が大勢居て総額800億位以上のお金が吸い上げられたのである。
 これなど自分だけが幸せになれると信じた信者が教祖にお金を献金したと同じである。その後利益が、お金なのかそれ以外のものなのか違いである。

 世の中で自分だけが幸せになれることを助けてくれる人は存在しない。全ての人に運と不運を不平等に与え続けてくれるのが神の仕業だからである。
 今回、自分だけが幸せになろうとして無一文になるのもそれも運命と思いあきらめるしかないだろう。

 世の中の山あり谷ありの出来事の中を人は移動しているわけで、その中で波間に飲まれ消えてしまうことが多々あるわけで、それを上手く乗り切る技量が人に求められるのだろうか。

 さて今日はどうやって生きていこう。