初夏

 時折強い風が吹く、寒いと言うわけではなく体にまとわり付く熱気を払いのけてくれる心地よい風である。頭上の空には、薄く雲が掛かかり空を覆うベールの様に見える。

 

 昨日は、色々なスポーツがあった。娯楽番組と異なりスポーツ番組は、本当に筋書きが無い。予定調和のようであり、どこかに波乱がある。

 その一つが、石川選手が優勝したゴルフだろう。中継は録画であるため、この時点で既に優勝は決まっているのだが、それをそう思わせない。TVの前に居る視聴者は今それが本当に行われている様に感じさせる。

 もし可能なら、こういった実況も生で見せてもらいたいのだが、放送枠を考えると無理な話なのかもしれないが、もしこれを午前中から延々と放送していたなら相当な視聴率を稼いだだろう。それは24時間TVに通ずるものがある。

 そして結果は、見事優勝。恐るべき17歳である。あの追いつかれた後、前のホールのOBを引きずらずドライバーを振る勇気は見事なものである。更に凄いのは、あの優勝インタビューである。だれか傍にスクリプターが居るかのような見事な受け答え。それだけで普通の17歳を超えているかもしれない。

 もしかしたら、あの落ちを快く思えない人たちも中にいるかもしれないが、大人の世代には、まだこういった受け答えは安心できるものがある。

 更に陸上の福島選手。それとライバルの高橋選手。この2人の戦いも見事であった。最後の最後で福島選手が棄権という波乱があったが、それでもライバルなしで走る高橋選手が優勝したのは見事であった。この争いも今後見逃せないだろう。

 そして昨日は、サロマ100kmマラソンがオホーツクの海岸沿いで行われた。この大会には知り合いも多く挑戦している。昨日は石狩地方は晴天だったが、あちらのほうは曇りで走るのに丁度良い気温だったようだ。まだ自分も100kmという距離を経験した事が無い。走れと言われても遠慮してしまう距離である。それを走りきる精神力に感服してしまう。

 そして最後に、あの女子マラソンの草分け的存在だった、佐々木七重さんがお亡くなりになってしまった。まだ女子マラソンが黎明期で存在自体も余り知られていない時に活躍され、時代を切り開いていった方である。今後の女子マラソンの行く末を天国で見守っていただきたい。