リーダーシップを取れる国

 曇り、昨日は夕立のような凄い雨が降ったが、今日はどうなのだろう。外の気温は既に半袖では肌寒く感じるほどである。予報では、このまま曇り空が続くらしい。


 日本が世界の中でリーダーシップを取ることなく、このまま世界トップの座から沈んでいくと書かれている。

 それを言い返せば際限が無いかもしれないが、戦争に負けた後、日本は世界の表舞台に立とうと必死だった。国連の常任理事国になろうと一生懸命お金を出し、最重要国であるアメリカに媚を売り、色々な国にも経済援助をしてきた、その結果がこの状況でこの言われような分けである。

 戦争に一度負けたために、世界からいじめられっこ扱いされてきた感もある。例えば中国などは戦争に何度も負けても国として消える事は無かった。それに比べて日本の置かれた立場を考えれば自信を失う事は間違いない。

 しかし、世界のリーダーシップをそもそも取った国は、厳密に言えば無いはずである。アメリカが自分のやりたい様にやっているのは、自国の利益がそもそも世界の利益と同一だと思っているからであり、決して世界のリーダーシップを取ろうとしてやっているわけでは無いだろうと思う。

 

 そして日本である。日本人は、自分たちで世界を動かしてやろうと考える人種ではない。時たま突然変異のように島国から世界に飛び出そうという人間が出てくるだけで、本来は、自分のローカルな領域で穏便に暮らしていければ良いと考える人種である。

 日本でさえ、文句の多い人間が一杯居るのに、世界中の人間を相手に全て丸く治めるような仕事をしたいと思う人間がどれくらい居るだろうか?

 更に言えば、あの戦争の仕方が余りにも悪かったため、世界のリーダーシップを取る事が出来なかったともいえる。そのため経済は一流と呼ばれるようになったのに次に進むべき道を閉ざされてしまい、今の日本がある。

 思うに、日本は世界のリーダーになる必要は全然ないとも言える。これだけ多くの国があり、自国の利益があるのに、それが一つの意思として纏まると考える方が、頭にお花畑が割いているとしかいえない。

 ここは、日本の国益を最優先に行動するしかない。もしアメリカと仲良くすれば日本の国益に繋がると考えるなら、アメリカの属国と言われようとも耐えるしかない。そして時間が過ぎるのを待つしかない、もしそれで日本という国が消え去るなら仕方が無い。いつかは地球そのものが消滅するのだから、遅いか早いか違いでしかない。

 

 更に、本当に日本の力を必要とする時代が来るのなら、それは日本が努力するまでも無く向こうから近づいてくるはずである。いま、先頭をきって前に進むほど日本は強くない。

 これから未曾有の世界景気の悪化は間違いなくやってくる。その時こそ世界は混沌とするはずである。その時に力を発揮できるように今はじっと耐えるべきであろう。

 この不景気に、日本はIMFに10兆円拠出した。しかし、その後の功績は、日本が金を出した事ではなく、IMFがそのお金を有効に使うかどうかで評価されるだけである。それで世界の景気が回復したところで日本が評価されるわけではない。

 その点を麻生さんは誤解している。日本が金を出したから偉いのではなく、只の金貸しに過ぎないのだということを理解していない。金を出し方が良いから世界の中の日本を誇れるのではなく、日本が主導権を取り世界の景気を回復してこそ真のリーダーシップを発揮した国といえる。

 それもせずお金を出したから偉いでしょうと世界の国からほめられる事は無い。

 日本が真に必要とされるには、自分たちで汗をかくことができる国だけである。その機会は、今にこそ有った。しかし、その人材を育てず、自分たちの暮らしを第一に考える政治家、官僚を育ててきた日本の社会に問題があったとしか言えない。