W杯 日本決勝トーナメント進出

 快晴で、。所々に浮かぶ絹雲が空の青さを一層引き立て目にしみる。

 

 今日は、午前3時半に目を覚ましTVをつけた。もちろん騒がしい放送をしないスカパーを選局した。

 試合の入りは、勝たなければならないデンマークのパス回しが冴え、日本のデフェンスが振り回される。これだけで見ている方は、今日の試合の厳しさを感じた。

 しかし、デンマークトマソン選手のシュートが外れた辺りから日本の攻勢が始まった。松井選手の惜しいシュート、長谷部選手の飛び込みなど日本の素晴らしい攻撃で、デンマークも攻撃一辺倒ではやられると感じたのだろう、少し全体に引き気味に成り前線との距離が空く。

 

 その辺り日本は攻めて来ないと思っていたゲームプランが崩れたのかもしれない。デンマークの攻撃が止んだところで日本の反撃、ゴール右斜めの少し遠いところでファールからFKのチャンスを得る。

 

 蹴るのは、本田選手。W杯前は、中村選手が蹴っていた場所である。それは見る者に否が応でもストーリーを頭に思い浮かべさせるものがあった。

 そして、そのキックがゴールする辺り、やはり本田選手は運を持っていたのだろう。ゴールキーパーが左足に体重を掛けその後右に飛んだ分手が届かなかった。これぞまさしく無回転シュートである。

 その後直ぐ今度は、ゴール正面のFKを遠藤選手が決めて日本は、2-0とリードする。これは相手にとって心を挫くゴールだったに違いない。前半終りのデンマーク選手の気力は目に見えて落ちていた。

 

 後半は、どうしても勝ちたいデンマークと無得点に抑えたい日本の攻防となる。デンマークは単純にゴール前にボールを放り込んでくる。それに対して日本は跳ね返したボールをゴール前に運ぶが決定機を逃す。

 

 今日の主審は、開始早々からイエローカードを出す。それも遅延行為でだ。それが功を奏したのか余りラフなプレーが無かったが、大久保選手がイエローを貰いそうで明らかに日本にとって危険な存在に感じられた。一発レッドを貰って一人退場となれば、逆転も考えられたからである。

 それに関しては、大久保選手も勝っているので無茶はしなかった。

 しかし、ゴール前に入れられたボールをペナルティエリアで競り合って長谷部選手がファールを取られる。微妙だが、これを決められてもまだ日本のリードは揺るがないはずだが、見ていてドキドキする展開ではある。

 

 PKは、川島選手が一度手で弾いたがそれが相手選手の前にこぼれゴール。

 2-1となって試合は俄然面白くなる。しかし、後半の後半に近づき両方の選手に疲れが見られはじめ、それはデンマークの選手により顕著だった。

 その出足が鈍ったところをカウンターで持ち込み本田選手がキーパーを交わしパス。それを岡崎選手が冷静に決めて3-1としたところで、勝利は9分9厘決まったと言える。

 

 その後、相手の攻撃を冷静に防ぎきり日本の勝利。

 こうも勝ち上がるとは、日本人の何人が思っていただろう。自分もその一人で、岡田監督の事を批判していた一人として頭を下げざる負えない。これでも岡田監督を批判する人間は、ハラキリものである。

 また、今日の試合は、デンマークが比較的接触プレーを避けてきたことが日本にとって有利だった。日本がこれまで世界の強豪国に負けてきた理由の一つに体をぶつけられると簡単にボールを失うという点を突かれてきた。

 もし、体格に優るデンマークが日本の選手に体を預けボールをコントロールされたら今日の試合もどうなったか判らない。

 

 しかし、実際にやってみると接触プレーを嫌い、パス回しをしてくるチームで、自分の予想を見事に外してしまった事が日本にとって都合が良かったのではないだろうか。

 これで日本は、ベスト16に進み準々決勝はパラグアイとである。パラグアイもサッカー先進国であるから上手いサッカーをしてくる。また今日のような試合を日本が簡単に出来る相手とは考えられず、日本が振り回される方に廻る可能性が高い。

 ベスト16で満足するのではなく、華麗なサッカーで勝つのではなく泥臭く試合を行なってでも勝てるサッカーをして欲しい。

 華麗なサッカーを行えば負けても見ているファンは納得するかもしれないが、自分は、泥臭く見ているものを興奮させなくても良いから勝ちを拾って欲しいと思っている。