消え去る日本

 霧雨、気温は昨日より低い、6月だがストーブが必要である。

 今日の朝、6時頃に花火が上がっていた。小学校の運動会らしい。この寒さの中の運動会は見ている方がつらいだろう。それでも原発の影響を受けない分だけましと思えてくる。時代は変わった。

引用 毎日新聞(http://mainichi.jp/select/biz/news/20110604ddm008020092000c.html

シャープ:液晶、携帯にシフト TV価格下落、収益改善へ−−三重・亀山工場

 シャープは3日、液晶テレビ「アクオス」の主力生産拠点である亀山第2工場(三重県亀山市)で40型以下のテレビ向け液晶パネルの生産を縮小、生産の7割以上をタブレット型携帯端末やスマートフォン(多機能携帯電話)向けの小型液晶パネルに切り替えると発表した。価格下落が続くテレビ向けから、需要が急拡大している携帯端末向けに生産をシフトして、液晶事業の収益改善を目指す。

 あのシャープの亀山モデルが終わりを告げた。日本の技術の優位性を象徴していたブランド名だったが、他国で生産される液晶パネルの価格競争に負けてしまった結果である。

 この液晶の価格低下は、サムスンの売り上げ減、パナソニックの工場縮小など先頭を走ってきた企業が軒並み土俵を去ることになった。

 液晶パネルの生産技術が、ある意味最先端技術ではなくなったことを意味する。まさしく栄枯盛衰である。

 世界は、生産性について技術というよりも、如何に同一品質のものを低価格で生産するかの競争になっている。大量消費する家電もその一つである。その時点で労働賃金で他国と比べて割高な国は、それだけで工場が撤退する理由になってきてしまった。

 今の工業製品の多くは、そういった比較的まだ発展途上にある国で生産されるようになってしまったと言って良い。この流れは、今後加速すれども止まることは無い。
 
 かって世界の工場と言われた日本の強みである、合理化も限界に達し、それだけでは到底利益の上がらない国になってしまった。更に中国も徐々に労働賃金が上がり始めたいま、必ずしも世界の工場足りえなく、東南アジアへとその行先を変えている。

 その流れの中で抗おうとした日本であったが、大震災とそれに続く人災は、日本を下流へと押し戻してしまった。この流れは一度加速度がつけば取り返しのつかないところに到達してしまうだろう。

 今までの繁栄した日本でならできた社会保障制度も、この先の補償はない。もしかしたらギリシャのように財政破たんをする可能性が全くないとは言えない状況である。このかじ取りを誤れば、まさしく奈落の底である。

 そういう意味で、政治のかじ取りが大切な時に、与党も野党も自分たちの利益のために争う姿は、非国民としか言いようがない。そんなことをしている場合かとすべての国会議員に聞いてみたい。