シャープ

 曇り、気温は0度に近い。風もなく暖かささえ感じる。この前の嵐のような低気圧は、春一番だったのかもしれない。今週末は完全にプラスの気温になるという予報だから、春を感じさせてくれるかもしれない。まあそれでも、直ぐに真冬の寒さも来るだろうが、春に向けて動き出した気候は誰にも止めることはできない。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNZO52472920W3A300C1EA2000/?dg=1) 

シャープが韓国サムスン電子から約3%の出資を受け入れる。液晶パネル工場の稼働率低迷にあえぐシャープは、アップル―鴻海(ホンハイ)精密工業連合との提携を軸に再建を目指してきた。アップルの最大のライバルであるサムスンとの協業は背水の陣とも言えるが、アップルビジネスへの悪影響はないのか危険な賭けでもある。

 ある意味、シャープに厳しい評価の記事である。液晶で技術提供した会社に追いつかれ追い越されそして相手に協力を求めることで、既にシャープの優位性を失った。

 相当本体は厳しいし、今後の優位性を回復するのは難しいとシャープ自体も判断しているだろう。更に今までの協力先の企業が浮かんでは消えを繰り返したのは、この先の復活が厳しいと全ての企業が判断したからに違いない。

 記事にもあるがサムソンとの提携は、シャープが吸収または消滅という道筋を辿ることだろう。液晶という技術に今後の明るい展望は見られないし、世界各地にその技術は広まっており、どこか別なところで新しい技術革新が起これば、そこでまた苦しい経営環境が待っていると言える。

 それは、サムソンにとっても同じことだろう。この先の景気の陰りと、大きくなった本体の舵取りが上手く行く保証は無い。世界的な企業になった途端、同時に衰退も始まっているのは、どの企業も同じである。規模が大きくなればなるほど人間の限られた能力では、簡単に操れないものになる。

 もし、大企業がこの先生き残ろうとするなら、人間の能力で制御できる適正規模に会社を分社化するしかない。分社化して経営的に独立させ、人間が管理できる規模にすべきなのである。

 独立させた会社が収益を生めば、シャープというブランドは生き残れる確率は高くなる。今の大規模な本体が丸ごと生き残れるほど経営は甘くない。

 高々、シャープの歴史は、100年である。企業が大規模なまま100年生き残れるのは稀である。100年も続いたというべきだろう。

 きっと、シャープの歴史の中に、転換期はいくつもあったに違いない。その時々で最良の選択をしたから今がある。そして今の結果があるのもどこかで選択を間違えたからに違いない。どうしてその間違った選択を、選択した当時正しいと考えたのか、そういった自己分析が有れば良いのだが、中々明らかに成ることは無い。

 人の人生に選択の失敗があるように、企業の歴史の中にも選択の失敗は必ず起こりえる。