福島原発のその後

 晴れ、既に朝日が昇ろうとしている。気温はマイナス20度に行かないくらいの非常に厳しい冷え込みである。

引用 中日新聞http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012012090021234.html

東京電力は19日、福島第1原発2号機の格納容器の貫通部から工業用内視鏡を内部に入れ、その画像を公開した。廃炉に向け、原発の状況を正確に把握するための重要な一歩。事故後に格納容器内を撮影したのは1〜3号機で初めて。

 映像は放射線の影響で鮮明ではなかったが、写っている範囲では、配管や格納容器の内壁に大きな損傷はないとしている。

 格納容器の底から4・5メートルの位置まで内視鏡を下ろしたが、水面は確認されなかった。炉心に注入した水は、これより低い位置で建屋地下に流れ出ていることが確認された。

 確実に事故からの回復が進んでいることがうれしい。ただ、これもパンドラの箱のようにいざ内部の様子が判ることでまた大きな障害が起きる可能性がある。
 ただ、今まで汚染水を浄化するのに追われ内部の様子まで確認できなかったことを考えれば一歩も二歩も前進と言えるだろう。

 しかし、気がかりは、予想より水の溜まりが低く水面が確認されなかったことである。今まで注水作業を炉心ではなく格納容器全体に対して行っているはずである。相当量の水を注水してなお格納容器に溜りが無いという事は、どこかに逃げている水が相当量現在もあるという事である。
 これは事故からの回復作業直後にも言われていたが、原子炉建屋直下の地盤や基礎に亀裂が入り穴の開いた風呂桶のような状態であることの証明である。
 そんなことは、今までの状況から関係者は薄々気づいており、確かな証拠が無いために真実として語られないだけであった。

 早急に原子炉建屋周囲の地面に壁を作り汚染物質が外に漏れることを防ぐ必要がある。これは原子炉の冷却と同時に至急で完成しなければならないだろう。

 今回行われた作業は、更に続けられるのだろうが、徐々に明らかに成るにつれて、今回の事故から現状に復帰する作業内容の見直しが必要になるだろう。
 廃炉作業までの道のりが遥かに遠ければ、冷却の道筋をつけて放置するという選択肢も出てくるだろう。それも今後の経済状況次第によるところが大きい。
 
 バブルの破たん処理も長かったが、今回の原発の事故処理も人間の寿命を超えた長さが必要である。重ね重ね、人間の寿命を超える事故が起きる可能性があるものについては、開始するのを止めてしまうという選択肢を最初に加えるべきだろう。