竜巻

 霧雨。ここのところ朝は雨という日が多い。適量の雨は、「雨降って地固まる」という通り、土を適度に固定させるが、適量でなければ地面の崩壊を招く。もうそろそろ農作物は収穫の時期を迎えているため、ここ最近の雨もちょっと度を越すようになっている。天は手加減を知らない。

 そして昨日は、関東地方に竜巻が発生したらしい。道内でも以前佐呂間町で大きな竜巻により人命が失われたが、こういった竜巻で人命が失われるような災害はその頃まで殆ど無かった。

引用 産経新聞http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130903/dst13090307160002-n1.htm

2日午後2時5分ごろから2時半ごろにかけて、埼玉県越谷市と同県松伏(まつぶし)町、千葉県野田市などで竜巻とみられる激しい突風があり、住宅の屋根が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりし、少なくとも67人が重軽傷を負った。建物の損壊は540棟を超えた。

 この竜巻の原因は、地表の温められた空気が上昇し、上空の冷たい空気の層で冷やされ落下し更にその空気が暖かい地表で温められて上昇するという循環運動が急激に起きた結果である。普通に上昇している分には、それ程影響は出ないが、上昇した空気の塊に次々と上空から降りてきた空気が供給されるというエンジンでいえばガソリンが徐々に多量に供給されるようになると出力も最大になり回転数が上がる状態である。そのエネルギーは、急激に増大したと思われる。

 今回の竜巻は、住宅密集地で起きたため、普通徐々に建物に当る空気の乱れによって竜巻へのエネルギー供給が減り、直ぐに落ち着く。ただしその落ち着く時間に長短があり、空き地などの障害物が無い所に出ればまた勢いを増すことがある。

 オズの魔法使いでオズが飛ばされたのはこの竜巻であるが、その物語の発祥の地アメリカは、広大な平地が広がり何も障害物が無い所で生まれるため、相当規模の竜巻が発生するが、日本の都会は、大きな建物が広がり中々そういった竜巻が起きにくい土地なのだが、いったん生まれると住宅が密集している故大きな被害をもたらすことになる。

 ドロシーのように、冒険の世界に行くのは物語の中だけで、実際の竜巻は、被害だけもたらす。