不運

 曇り、朝の気温は10度を切っていた。ここ最近一番寒さを感じた朝である。

 昨日も書いたが身の回りに潜む危険というのは、自分の力の及ばないところで起きる。この前のタレントの桜塚さんの事故もそうだし、昨日起きたタレント志望の少女が殺害された事件も、日頃そんな目に遭うとは想像していなかったことが突然起きる。それだから事故と言えるのだろうが、その危険性は、この世に生きている限り影のように自分の体のそばにあるものだという事である。

 事故もそうであるが、病気も同じようなものである。健康であると思っていても病魔は忍び寄る。更に病気以外にも老化というこれまた自分ではコントロールできないものもある。

 

 老化も、自分で節制したり運動したりすることで衰えを予防できるかもしれないが、それは一部の病気である。例えば免疫疾患、がん、細菌やウィルス感染など注意しても普段暮らしている中で予防できることは限られている。

 通勤通学で電車などの見知らぬ人と一緒に狭い空間に閉じ込められてしまえば、そこにどんな感染菌が潜んでいるか判らない。そんな環境に遭遇することは、人間として生活していれば日常茶飯事である。

 更に老化を予防することは不可能である。何故なら人間の体を構成している細胞は生きている間無限に細胞分裂を繰り返すことは無い。その細胞の働きは、数多く分裂を繰り返すと何時か分裂しなくなる。

 それを運動だとか健康的な生活で予防することはできず、人間生まれながらに持つ生命の原理の前に無力なのである。だから人間にも寿命が存在するのである。

 その寿命の中で、どの程度生き残るのかは、更に人間個々に危険に遭遇しそれを切り抜けて行く確率の差みたいなものである。

 幸いにして日本人の平均寿命は80歳程度なので、大体その辺りまでは生き延びることは可能である。それ以上に成るとやはり極端に生存の確率は減じて行く。

 何となくブルーな話になってしまったが、これも季節の成せる業である。