未来

 曇りだが所々青空がのぞいている。気温は2度くらい。

 

 今この記事を書いているようなことが、情報として世界に発信される環境というものが当たり前になって20年程度経過した。この先、人類は本当に、自分が小さい時に想像したような世界に成るのだろうか?

 自分が小さいころ見た、人類のこの先の未来は、月や火星などは当たり前に行き来し、自動車は空を飛び摩天楼のような高層ビルが群をなした世界である。ただその頃の世界にも今のようなテレビが壁面に据え付けられボタン一つで色々な事が出来るようになった世界であった。

 この中で、実現したと思えるのは、壁面に据え付けられたテレビでインターネットにアクセスできる環境位なもので、まだ自動車は空を飛ばないし、月や火星で人が暮らすような世界はまだ来ていない。

 しかし、それでも自動車は徐々に自動運転をするようになり、火星移民計画が実行されようとしている。形はまだ無骨だが予想した未来はこの先実現するようにも思える。

 しかし、この先の未来の夢を阻むものがあるとするなら、それは人類だろう。我々の世界が実現したのは夢や希望では無く、こんな未来が有ったら良いなと思ったものを形作っただけである。それを利用する側にある人類が未来に向けて成長したとは全然思われなく、そこにあるのは、やはり国対国の争いだけでは無く、身近の人間間の争いである。

 本来なら、明るい未来が実現すれば人は豊かになり争い事も無くなるはずだった。それは本当に仮定の話なのだが、皆その未来の恩恵を受け、人すべからく豊かで幸せな生活が送れる未来を想像していたのである。

 今まで、月に人類は足跡を残したけれどそれで人類が平等な生活を送れることになったかと言えばそうではない。以前として独裁国家が存在し、人間間には貧富の格差が存在する。、富めるものは富、貧しい人は貧しいままの世界が固定化されようとしている。この先の未来の夢が実現しても恩恵を受けるものは富んでいる者だけのような世界が待っているとしたら誰が未来に希望を持つことができるだろう。

 我々が手にした道具であるコンピューターがこの先世界を変えることができるであろうか。もし、この先もっと発達しそれを身にまといながら生活するとしたら。例えば、試験でも自動的に解答を教えてくれるように成れば試験は無意味になるだろうし、人に会えばその人の経歴などの個人情報が瞬時に教えられるようになればその人の個人情報を覚える必要もない。

 コンピュータが出てきて、紙の出力が激減し、製紙会社の経営が右肩下がりに成り、本屋が減った。手紙などの紙による情報伝達は益々減り、ダイレクトメールはこの先減るだろう。郵便事業の一つであった手紙の配達事業は無くなるだろう。更に新聞などもわざわざ紙に印刷することも無くなり電子化されたものがすべてに成るだろう。何かのメリットを享受するようになると、それによって消えていくものもある。

 それは人にも言えることで、そういった情報を受け取るだけに成れば、記憶というものを頭に残す必要性が無くなってしまう。もしそれを全面的に受け入れる人類が増えてくれば物事を考える人間の数が極端に減ることだろう。

 未来の人間は、自分の行動をコンピューターに制御されるようになり、人類を動かすのはSFにも出てきたマザーコンピューターに成るのかもしれない。月や火星に定着するのは、人類では無くロボットかもしれない。

 そういった未来が待ち受けているかもしれないし、そうでないかもしれないが、今の人類はそういうもので絶滅してしまうかもしれない。